教育福島0188号(1995年(H07)07月)-022page

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質や能力を育成する必要がある。

これを実現するには、教職員がその使命を自覚し、自ら研さんを積み指導力の向上を図ることが大切である。各学校においては、校内研修を一層充実させ、教職員が主体的に研修を進め、その成果を共有するなどして資質の向上に努めることが重要である。

1 研修体制の整備・充実

校内研修が、学校の活性化と教師の質の成長と両面においてきわめて重要であることを認識し、校内研修体制を整備・充実していくことが大切である。

(1) 校長、教頭、主任等がそれぞれの職責に応じて、新しい教育を推進するためのリーダーシップを発揮すること。

(2) 教職員一人一人の役割分担を明確にし、全職員による組織的な研修を推進すること。

(3) 教職員の特性を生かすとともに校務分掌との関連を図るなどして、意欲的に研修が推進できるよう組織を工夫すること。

2 研修内容の検討・改善

研修内容は、「基礎学力の向上」が本県の重要な教育課題の一つであることを踏まえ、各学校の教育目標具現化の一貫として、教職員共通の課題解決を図ることを原則とする。

(1) 自校の当面する課題の解決・改善に向けた共通主題を設定し、日常の実践をとおしてその課題解決を図るようにすること。

(2) 児童生徒の実態・教職員の切実な課題意識を基にした授業改善についての研究を中心にすること。

(3) 学習指導要領の趣旨の実現を図るため、児童生徒一人一人のよさや可能性を生かすとともに、「基礎学力の向上」が一層図れる研修内容にすること。

3 研修の評価・改善

計画的に評価を実施し、研修の方法、内容の改善、修正に生かすことが大切である。

(1) 研修内容はどうであったか。

ア 自校の教育目標の具現と当面の課題解決に役立つものであったか。

イ 教職員一人一人の切実な課題を取り上げ、実践可能なものであったか。

(2) 組織と運営はどうであったか。

ア 他の組織との関連を図り効果的に運営されたか、今後はどうか。

イ 研究意欲を高めるための意識化や協同化を図る組織として運営がなされたか、今後はどうか。

(3) 研究の成果と今後の課題が明確にされ、継続化が図られるか。

(4) 研究成果が、児童生徒の望ましい変容となってあらわれ、毎日の教育活動に生かされているか。

4 研修時間の確保

校内研修を充実させるには、研修時間の計画的な確保が大切である。

(1) 研修時間を確保するために、教育課程全体を見直し、年間計画に位置付けること。

(2) 月や週の行事計画に定例的に位置付けたり、時間割り編成上から工夫したりすること。

(3) 集中的な研修が可能な長期休業を活用すること。

(4) 共同研修の運営の効率化を図ること。

ア 事前に研修内容を周知させる。

イ 事前に問題点を集約し、方向付けをしておく。

ウ 記録の累積を図り、その後の研修に生かす。

(5) 職員会や学年会等にも研修時間を確保するよう工夫したり、身近な場での話し合いも大切にし、研修意欲を高めること。

 

十二 幼稚園教育の充実

 

1 幼児教育の問題点

近年の社会情勢の著しい進展により国際化、情報化、高齢化、女性の社会参加の機会の拡大、生活様式や意識の変化、価値観の多様化などあらゆる面に変化が及んでいる。

こうした背景は、幼児を取り巻く直接の環境である家庭や地域社会にも大きな影響をもたらしている。

核家族化による高齢者とのふれあいの減少、少子化による兄弟姉妹の間での競い合いや思いやりの経験の不足、家事の電化、TVやコンピュータゲームの普及、地域における異年齢集団の減少や遊び場の不足と相まって次のような点で子供たちの育ちにも影響を及ぼしていることが指摘されている。

〇お金や物を大切にする心に欠ける

〇間接経験のみで実体験が不足し、自発的に遊びができない

〇基本的な生活習慣が身についていない

〇根気強さや忍耐力に欠ける

2 幼稚園教育の現状と課題

幼児期は心身の発達が著しく人間形成の基礎を培う極めて重要な時期であることが認識され、幼児期にどのような環境の下で生活し、その環境とどのようにかかわってきたかは生涯を通しての生き方に大きな影響を与えるともいわれている。

就学前になんらかの集団生活を経験している幼児が九割を超える現在、幼稚園教育に対する社会の期待や関心も高まってきているが、躾をはじめ幼児期の教育を全て幼稚園に

 

 

 


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