教育福島0190号(1995年(H07)10月)-048page

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平成七年度福島県長寿学園祭

 

長寿社会を迎え、高齢者の方々は日々健康で生きがいに満ちた生活を送るために、様々な学習に取り組んでいます。その学習の一つの場面として、県教育委員会が主催している長寿学園(グレート・アカデミー)があります。

県内の七教育事務所管内それぞれに学習会場が開設され、歴史・文学・芸術・園芸などについて専門性の高い学習活動が展開されています。

長寿学園祭は、これら各会場で学びあう学園生、学園修了生、さらには高齢者の人材登録者などが一堂に会して交流・交歓し、今後の学習活動や社会貢献などへの弾みにしようと開催するものです。

一般の方の参加も自由ですので、関心のある方々のご来場を歓迎します。内容は、次のとおりです。

○期目 十一月一日(水) 十時〜

○場所 郡山市民文化センター

・講演 十時二十分〜十一時二十分

八十八歳の現役剣士 相楽芳三氏

・展示作品鑑賞 十一時二十分〜

・学園生活発表 七会場代表者 十二時〜十四時十分

・交流と交歓 七班構成 十四時二十分〜十五時

なお、詳しいことは、県教育庁生涯学習課(TEL〇二四五-二一-七七八四)までお問い合わせください。

 

平成七年度ボランティア・セミナー

 

近年、ボランティアについて関心が高まっています。県教育委員会では、生涯学習ボランティアの啓発と、ボランティアの活動の場の開発を図るため、「“うつくしま、ふくしま”ふれあいボランティア推進事業」を実施しています。

主な事業としては、活動の場の開発のための研究とモデル的活動の実践の委託事業(市町村や社会教育団体など四〜五件)、ボランティアに関する実態調査、ボランティア・リーダー養成講座の開設(県内三講座)、そしてこのボランテイア.セミナーなどです。

ボランティア・セミナーは、この推進事業の参加者や関係者、さらにボランティア活動に関心を持つ県民がつどい、実践活動の成果を発表したり、交流し合うことにより、ボランテイアの輪を広げることを目的として開催します。本年度の予定は次のとおりです。

〇期目 十二月九日(土) 十時〜

○場所 郡山市民文化センター

・講演 十時二十分〜十二時

・実践発表 十二時四十分〜

・交流と交歓 十四時十分〜一時間

一般の方の参加、大歓迎です。講演をお聴きになり、話し合いの輪に加わってください。

 

チャイム

母と子の肌の会話

高梨敦子

 

最近、赤ん坊の育て方がずいぶん変わってきているように思います。

 

最近、赤ん坊の育て方がずいぶん変わってきているように思います。

ベビーベッドの中に一人で哺乳びんをくわえて眠る赤ん坊、一日中テレビと向き合わされている赤ん坊、後ろ向きに背負われて寒そうな赤ん坊の姿などをよく見かけます。

そうした姿を見るにつけ、日本に昔からあった、おんぶや添い寝による子育ての習慣が思い出されてしまいます。

赤ん坊は母親の背中で、肌のぬくもりや息づかいに安心して眠り、母親の喜びや悲しみを感じとっていました。また、赤ん坊は快い揺れの中で子守歌を歌ってもらいながら、母親と心を通わせることができました。

夜、添い寝する母親は、寝息や体温の違いを通して、赤ん坊の心や体の状態を知り、それに反応して、また母親は赤ん坊に無意識のうちに働きかけていたのでした。

このように、おんぶや添い寝には、赤ん坊と母親の肌と肌の触れ合いがありました。それが愛情となって、赤ん坊の感情や心を育くみ、母と子の信頼の絆を確実に築きあげていったにちがいありません。

いじめや不登校などの問題の根底には、母と子の言葉以前の「肌の会話」が失われていることがあるように思えてなりません。

(会津教育事務所学校アドバイザー 臨床心理士)

 

 

 


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