教育福島0191号(1995年(H07)11月)-017page

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学校文化連盟は毎年、全国高等学校総合文化祭を文化庁と共に開催しています。今年度は八月四日から八日まで新潟市を中心に佐渡を含む八市町村におよぶ広い地域で開催され、全国から二、二〇八校、約一六、〇〇〇名の高校生が参加しました。本大会では将棋専門部が新たに加わり十六専門部門がすべてそろったこと、加えて国際交流事業として二か年にわたって中華人民共和国、大韓民国、アメリカ合衆国の高校生の参加を得て国際色豊かな文化交流の場となったこと等、二十一世紀の担い手として国際化時代に向けて大きな期待が寄せられております。本県からは合唱に若松女子、美術工芸に会津女子・若松女子・喜多方、書道に若松女子・会津若松ザベリオ・福島西、写真に福島商業・安積.会津工業、放送に若松女子・磐城女子・安積・小高工業・喜多方・福島東、囲碁に福島・福島女子・須賀川、将棋に安積の各高校から一〇八名が参加しました。発表会、展示会、交流会、講習会等でその研鑽の成果を発表し合い、精魂傾けた質の高い作品から互いに学び合い、さらには全国の仲間たちとの交流の輪を広げることができ、今後の学校生活にかける芸術文化活動の発展に大きな役割を果たすことができるのではないかと思います。今年は隣県開催でもあり例年より多くの生徒が参加しましたが、それでも参加の機会に恵まれた生徒は一〇八名にしか過ぎません。またとない刺激をうけるチャンスに一人でも多くの生徒を参加させたいと考えておりますが、経費面からみてもそれが望めない現状にあり大変残念に思っております。

いよいよ本連盟も来年度は十周年を迎えることになります。高校生の創造力と活力にあふれる文化活動をさらに発展させるためにも、より活動しやすい「環境の整備」と十年の節目を迎えさらなる「質の向上」を目指しつつ、「伝統的な文化の継承」と「新しい文化の創造」に高校生たちが意欲をもって臨めるように努力していきたいと考えております。

 

福島県書作家連盟

昭和五十八年三月、福島県書作家連盟改組第一回研究発表展を開催、幹事会の席上、改組以前の、延長線上の研究発表展では、改組の意義はなく、第二回展から、会員相互の資質向上を図るため、特別コーナーを設けることにしました。

第二回展は、福島県出身の有力な物故作家の作品を特別展観し、会員の出品作と同時に、作品図録を製作し、ながく保存することになりました。第三回展から、特別コーナー展観は、「中国諸家畫名品展」三回、「日本諸家名跡展」二回、「中国名蹟拓本展」一回、「故宮博物院名蹟(複製)展」一回を特別展観し、視覚芸術の本格を学習・研究したのです。

 

た。書は人格の表現であり、その精神性がとうとばれる所以もここにあります。

 

しかし、「書」は、「人書倶に老ゆ」、人熟して、始めて書もまた円熟の境地にいたる芸術です。「文字精霊」、文字には精霊の宿るものとして崇め尚ばれてきました。書は人格の表現であり、その精神性がとうとばれる所以もここにあります。

その勝れた書の源泉は、文人の書斎から生れます。「明窓浄机」、文人は書斎を大切にします。自分自身を集約した全人格を、詩や文に、また、書畫に昇格させる場が書斎です。「寄心清賞」この言語の如く、志操を養い、精神を昴めるに好ましい雰囲気の書斎が必要です。「古物有霊」、中国では、古を老と表現する、この老という考えは、それ自体、すぐれたものと理解し、文人達は、こぞってこれらの古玩美術品の文房具に心をよせ、書斎にしつらえたのです。

文房とは、もともと書斎を意味するものでした。書斎は、人間が人間として、本来のあるべき姿に戻り、唯一、人間としての尊嚴をとりもどす場でもあったのです。文人たちは、この仕事場である書斎を、すぐれた、古玩美術品で几案を飾り、人格の高揚につとめたのです。

これらのことがらを踏まえて、第十回展以降、特別コーナーに、「文房四宝」を、連続して五回にわたり操(と)り上げ、展観した次第です。

平成七年十一月、今回展は、記念すべき、第五十回国体の福島県開催にあたり、スポーツ芸術協賛のもと、福島書作家連盟研究発表展は、第十四回をむかえ、特別コーナー「文房四宝総合展」を展観、意義深く、盛会裡に終了した次第です。

 

 

 


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