教育福島0195号(1996年(H08)06月)-021page
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特集3
社会参加をめざす作業学習
養護教育課
一 はじめに
精神薄弱養護学校や特殊学級での職業教育は、主として作業学習を通して行われています。木工や紙工等の作業を体験的に学習することによって働く力を身につけ、さらに、自立的な生活を積み重ねることによって、将来の豊かな生活につなげることができます。
一人一人の児童生徒の社会参加、自立を目指して各学校で行われている実践を紹介しながら、作業学習の指導の在り方について考えてみたいと思います。
二 作業学習の指導計画と展開
1 作業学習とは
作業学習では、作業活動を学習の中心に据え、働く力ないしは生活する力を高めることをめざします。
作業学習は、生活単元学習や日常生活の指導と同じように、領域・教科を合わせた指導の形態ですので、各教科、道徳、特別活動及び養護・訓練の内容を総合した形で取り扱うものです。
作業学習で取り扱われる作業種目には、農耕、園芸、木工、縫製、織物、紙工、窯業、セメント加工、印刷など多種多様なものがあります。
作業種目の選定に当たっては、次の点に配慮することが大切です。
(学習指導要領解説より)
(1) 生徒にとって教育的価値の高い作業活動等を含んでいること。
(2) 地域性に立脚したものであること。
(3) 生徒の実態に応じた段階的な指導ができるものであること。
(4) 障害の実態が多様な生徒が取り組める作業活動を含んでいること。
(5) 共同で取り組める作業活動を含んでいること。
(6) 作業活動に参加する喜びや完成の成就感が味わえること。
(7) 作業内容が安全で健康的であること。
(8) 原料・材料が入手しやすく、永続性のあるものであること。
(9) 作業量や作業の形態、実習期間などに適切な配慮がなされていること。
(10) 生産から消費への流れが理解されやすいものであること。
(11) 製品の利用価値が高いものであること。
2 指導の計画と展開
作業学習を進めるに当たっては、作業種目の選定の吟味、作業工程の分析、年間指導計画及び個別指導計画の作成、補助具などの開発などを行い、生徒一人一人の実態に即して展開されるよう工夫することが大切です。
また、作業学習では、学校が独自に計画した作業種目で作業を進める場合と、会社などから請け負ったり、外部から注文を受けたりして、作業を進める場合があります。
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相馬養護学校の「馬っこ」づくり
3 現場実習
作業学習の一部であり、その発展として教育課程に位値づけて実施する現場実習は、事業所などの協力により、大きな成果をあげています。
現場実習では、現実的な条件の下で、生徒の職業適性などを観察しながら、職業生活や社会生活への適応性を養うことを意図しています。
現場実習の実施に当たっては、保護者、事業所、公共職業安定所などの関係機関と連携を密にして綿密な指導計画を立てることが必要です。
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