教育福島0195号(1996年(H08)06月)-051page
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教育・イン・ザ・ワールド
−ドイツ・フランスの教育事情の紹介−
国際化にふさわしい教育の話題をシリーズで紹介する「教育・イン・ザ・ワールド」。今回は、文部省教員海外研修に参加し、ドイツ1フランス等の教育制度を視察された矢舘実也先生(福島市立渡利小学校教諭)からのレポートです。
平成7年11月4日から16日間にわたり、ドイツ、フランス、オーストラリアの3ヵ国を訪問しました。その中から、学校訪問をした2ヵ国の教育事情について紹介します。
○ドイツ(工ムテン市の学校訪問から)
ドイツは、州によって教育制度が異なりますが、共通の大きな特色となっていることに、初等教育としての基礎学校に続く中等段階において、基幹学校、実科学校、ギムナジウムの3つの学校種別が併存していることが挙げられます。グルナーベルという基礎学校では、崩壊した旧ソ連等からの貧しい引揚者が多く、様々な問題を抱えていました。しかし、朝食をとれずに登校する児童に対応するため喫茶室を造ったり、技能や学力を高めるために工作室や補習用教室を設けるなどして積極的に働きかけている教師の姿に、とても親近感を覚えたものでした。また、大学進学を目指すドラテシューレンというギムナジウムでは、14才クラスの地理や歴史の学習が英語で進められていましたが、その質の高さに驚かされました。
○ヲランス(アルル市の学校訪問から)
フランスの学校体系では、特に高等学校のシステムがかなり複雑です口また、卒業時の試験(バカロレア)が将来を大きく左右するので、生徒は眠る暇を惜しんで勉強するということでした。
ロべール・モレル中学校では、芸術の国らしく玄関に現代美術風の大きな彫刻や生徒が描いた大きな壁画が飾ってありました口生徒は学習に熱心でしたが、反面、麻薬に汚染されている生徒もし・るということで、日本の子どもたちが同じ道をたどらないような対策の必要性を強く感じました。
絵画活動グルナーベル基礎学校3年の授業風景
ドラテシューレングムマジウム 地理の授業風景
アルル市ローケット幼稚園
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