教育福島0196号(1996年(H08)07月)-009page

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4) 教材を工夫する

ア 内発的な意欲を喚起し、児童生徒の多様な実態に応じるために、複数の教材を用意する。

イ 学習内容の定着を図るための教材を選択し計画的に活用する。

(2) 学習活動の展開にあたって

1) 学習過程を工夫する

ア 導入での学習意欲の喚起、終末での学習のまとめを工夫する。

イ 問題解決的な学習活動や体験的な学習活動を積極的に取り入れた学習過程を組織する。

ウ 定着のための学習活動を計画的に位置付ける。

2) 学習活動の充実を図る

ア 学んで得た知識や技能を活用したり、一人一人が十分に力を発揮できる機会や場を設定したりする。

イ ティーム・ティーチングを取り入れるなど、一人一人の個性や学習特性に応じた学習が展開できるよう支援の在り方を工夫する。

ウ 学習形態の工夫や教育機器の活用を図り、効果を高める。

3) 評価を工夫する

ア 学習の成果や定着の度合いを把握する方法を工夫する。

イ 評価の観点を明確にして個に応じた指導・援助を行う。

ウ 児童生徒の評価能力を高めるよう自己評価や相互評価を的確に行う。

 

3 生徒指導・道徳教育の充実

 

人間としての生き方、在り方についての自覚を高め、豊かな心を持ちたくましく生きる人間を育成することは、学校教育の重要な使命の一つである。

しかし、学校不適応やいじめの問題等、児意生徒の問題行動はここ数年増加の傾向を示し、憂慮すべき状況にある。

各学校においては、問題の重大性を深く認識し、学校教育全体を通じて好ましい人間関係の育成に努めるとともに「一人一人の児童生徒をかけがえのない存在として認める特長所を認める」「児童生徒の立場に立つ」などの姿勢を貫き、問題や課題に適切な指導助言を行えるよう、全校的な体制を整えることが強く求められる。

(1) いじめ問題の解決のために

1) 学校全体に正義感を行き渡らせる指導と同時に対応にあたっては絶対にあってはならないという毅然とした態度で臨む。

2) 児童・生徒会等の機能を活性化し、児童生徒の自主的活動や学校教育全体を通じて生命の尊さや人権問題等についての理解を深める。

3) 地域における話し合いの場の設定や情報網の確立などにより、情報収集に努め、問題の早期発見、未然防止に努める。

(2) 心の教育の充実

社会環境の変化や価値観の多様化は、児童生徒の生活や意識の上にも様々な影響を与え、道徳的判断力や実践が伴わない状況がみられる。また、集団での生活体験が希薄で規範意識や自らを律しつつ他人とともに協調し、他人を思いやる心などが不足しているとの指摘もあり、心の教育のあり方が問われている。

そこで、各学校においては、自校の課題を明確にし、豊かな体験を通じて内面に根ざした道徳性の育成や実践力の向上を図るとともに望ましい人間関係の醸成を図ることが強く望まれる。

1) 子ども一人一人が、生きることの大切さを感得し、喜びと希望をもち、様々なかかわりを主体的に深めて、たくましく生きるよう指導する。

2) 各教育活動や日常生活における様々な体験を通して子供の内面に根ざした道徳性が育成され、基本的な生活習慣や望ましい人間関係の育成にかかわる道徳的実践が促されるよう配慮する。

3) 道徳の時間と他の教育活動との関連を図りながら、子供の発達的特質等に応じた適時性のある指導を行い、豊かな道徳的実践力を身に付け自律的に道徳的実践のできる子供の育成に努める。

 

4 国際化・環境教育及び情報化対応教育の充実

 

学校教育における国際化への対応は、国際社会の中で信頼される日本人を育成するという観点から、我が国の文化や伝統に誇りを持ち、尊重する態度を育成しながら、世界の国々の個有の文化や歴史についての理解を深めさせることが重要であり、教育活動全体を通じて、「異なるものを理解し、認めあう広い心の涵養を図る」ことなどが大切になる。

環境問題は地球規模での課題であり、各学校においては「身近な環境問題が究極的には地球規模につながっている」という認識に立って児童生徒が課題解決できるよう指導する必要がある。

そのためには、各学校の実情に応じて教科学習での理解を図ることや身近なことから自主的に体験的に活動できる場を設定することが大切である。

進展の著しい情報化への対応は、学校教育の重要な課題の一つとなっている。小・中学校におけるコンピュータに慣れ親しませる教育や情報基礎教育等の充実を図り、情報活用能力の育成に努めるとともにコンピュータの特性を積極的に生かしなが

 

 

 


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