教育福島0196号(1996年(H08)07月)-008page

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特集 学校教育の推進

 

新しい教育活動の積極的な展開のために

義務教育課

 

はじめに

 

県教育委員会は平成八年度の重点施策の柱に「社会の変化に主体的に対応できる心豊かでたくましい児童生徒の育成」を掲げ、その実現のために小・中学校教育においては、次の五点を指導の重点として推進することとした。

一 個性を生かす教育の充実等教育課程の改善充実

二 学力向上施策の推進

三 生徒指導の充実

四 情報化・国際化等の社会の変化への対応

五 学校週五日制への対応

これらの重点を基本に学校教育を一層充実させるためには、各学校において、学習指導要領の趣旨の実現を図るよう創意工夫を凝らした積極的な教育活動の展開が求められる。

また、本県の学校教育における大きな課題である基礎学力の向上やいじめ・登校拒否児童生徒の問題の解決のためには、自校の教育活動を教育の原点に立ち返って一つ一つ見直すこと、今後における教育の在り方を各学校の英知を結集し、実態を踏まえて具体化することなどが望まれる。

児童生徒一人一人を大切にし、児童生徒が自分のよさを見いだし、それを伸ばし、存在感や自己実現の喜びを実感できるような学校にしていく方策を各学校が主体的に講じ、実践を積み重ねながら改善を加えていくことである。

 

学習指導の改善と基礎学力向上

 

新しい学力観に立つ学習指導を進めるにあたっては「学ぼうとする力」「学ぶ力」「学んで得た力」が学習過程の中で緊密に関連しあい、相互に働きかけあいながらスパイラルに高まっていくことを重視することが大切である。

児童生徒一人一人がそのよさや可能性を生かし、知識・理解、技能を獲得し、それらをその後の学習に活用できるような学習活動を積極的に組織し、児童生徒が思考力、判断力、表現力などを駆使して主体的に学ぶことができるよう支援することである。

また、基礎学力の向上を図るためには、各学校の実態を踏まえた学習指導の質的改善に努めるとともに各学校の教育力を十分に生かした総合的な取り組みが鍵になるので、児童生徒の基礎学力向上の視点を明確にした教育課程の編成に努めなければならない。

 

1 基礎学力向上プランの作成

 

何をどのような手立てによって実現していくのか、そのためにはどのような準備をするのか、さらに、その成果をどのようにとらえ、どのように生かすのかといった計画、実践、評価の問題を明確にした自校のプランを作成する。

 

2 基礎学力向上を目指す授業改善の視点

 

(1) 授業構想にあたって

1) 児童生徒の実態を把握する

ア 発達段階、習熟度、学習速度、学習体験や興味・関心の度合い等を観察、諸調査・検査、評価等を通して把握する。

イ 一人一人のよさや可能性を学習や生活の様子や態度から把握する。

2) 目標を設定する

ア 児童生徒が獲得すべき知識・理解、技能を明確にし、学習の系統性、発展性に配慮して指導目標を設定する。

イ 観点別学習状況の四つの観点の関連性を考慮し、認知面と情意面との相互作用を重視して目標を設定する。

3) 指導計画を立案する

ア 単元や教材全体を見通し、一教材または数時間を通した指導計画の立案に努める。

イ 児童生徒の思いや願い、習熟度や学習体験、興味・関心の度合い等に応じられるよう複数の学習活動の展開を考え、計画する。

 

 

 


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