教育福島0196号(1996年(H08)07月)-032page
研究実践
平成七・八年度文部省指定(教育課程一般)
一人一人がよさを発揮し、生きてはたらく力を身につける教育課程の創造
−理科・生活科の学習を通して−
田村郡三春町立三春小学校
一 研究主題のとらえ方
本校では、未来に生きる人間性豊かな子供の姿を教育目標の観点から
強く…強い心と体をもつ子供
正しく…進んで学びよく考える子供
美しく…思いやりのある子供
と、おさえている。
これらを具現するためには意欲的な態度を重視し、自己実現していく力、すなわち「生きてはたらく力」を育成していかなければならないと考えている。
二 研究計画 略
三 研究の概要
1 学習指導研究部
〈役割〉
教科指導の中で、基礎・基本を確実に身につけさせる。子供一人一人のよさを生かし育てる。自分で考え、判断し行動できる力を育成する。
〈研究の内容〉
◎主体的な学習活動の重視
◎一人一人を生かすための指導法の工夫
◎学習環境の工夫
◎子供のよさを見取り高める評価の工夫
2 心といのちの教育活動部
〈役割〉
すべての子供にとって健康に学校生活が送れる環境の整備を図るとともに思いやりの心を大切にし、心身ともにたくましい子供の育成を図る。
〈研究内容〉
・道徳教育の充実
・「パチパチの実」運動の充実
・異年齢のふれあいを意図した縦割り班による清掃活動や、全校集会「三春っ子活動」の充実
運動会のテーマを作る実行委員会の子供たち
3 自主性を育む教育活動部
〈役割〉
子供たちが自分たちの生活をよりよくするために、自分の意見を述べたり、友達の意見を聞いたりして計画を立てて実行する。このような自主的な活動を重視し、子供一人一人に出番のある活動を展開する中で生きてはたらく力を身つけさせていく。
〈研究内容〉
・話合い活動を重視した学級活動の授業の充実
・やりがいのある児童会活動
・児童会実行委員会を中心とした運動会などの学校行事の運営
・ふれあいタイムを利用したパソコンタイムや学級・学年集会活動
4 教育環境活動部
〈役割〉
子供の自主性を伸ばし、個性を育むためにはゆとりある学校生活の実現をめざす必要がある。他の活動部の教育活動を推進するための環境の整備を進める。
〈研究内容〉
・九十分授業可能なノーチャイムの実施
・子供の自主性を育むようなゆとりある日課時程表づくり
・T・Tを計画的に実施できるような時間割づくり
・学校週五日制に伴う二週間単位の時間割づくり
・子供の考えが広がる教育環境づくり
四 研究の成果と課題
1 研究の成果
・主体的に学習させるための工夫を学習プランの中に適切に位置づけることにより、子供の学ぼうとする力がついてきた。
・体験的な活動は、子供は生き生きと活動することが分かった。学ぶ力を養う上でも大いに効果がある。
・子供の多様な活動に対応するためT・Tは効果がある。
・パチパチの実運動が広がって、友達のよいところを見つけようとする意識が高まっている。
・児童会活動においても子供の意見を十分取り入れたものは、意欲をもって最後まで活動することが分かった。
2 今後の課題
・学習指導における子供のよさの見取り方について、研究を深めていく。
・T・Tをより効果的に機能させるための方策を研究していく。
・縦割りの活動や地域との関わりを積極的に取り入れた活動を工夫していく。