教育福島0196号(1996年(H08)07月)-033page

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研究実践

平成七・八年度文部省指定

中学校教育課程研究指定校

 

生徒の個性を生かすための個に応じた指導方法の工夫

只見町立只見中学校

 

一 研究のねらい

 

個に応じた指導を通して、生徒のよさを生かしながら基礎的・基本的な内容を身に付けさせ、主体的に学習に取り組む態度を育てることを研究のねらいとした。

 

二 研究仮説

 

学習活動において、選択学習やT・T方式を積極的に取り入れて、一人一人の活動の場を多くしていけば生徒は個性を発揮しながら、学習に対して主体的に取り組むであろう。

 

三 研究の実践の概要

 

へき地、小規模校の実態から、国語・社会・理科・音楽・保健体育・英語の各教科において、数学をパイロット教科としながら研究を深めることとした。本稿では、その数学科における実践例について述べる。

(1) 数学科研究主題

生徒が主体的に学習に取り組み、数学的な見方や考え方をのばすための学習指導と評価の工夫

〜T・Tを生かし個に応じた学習指導を通して〜

(2) 数学科の目ざす生徒像

1) 基礎的・基本的事項を確実に身に付け、問題解決のできる生徒

2) 筋道を立てて考え、自分の考えを表現できる生徒

3) 既習事項を活用し、課題解決に意欲的に取り組む生徒

(3) 研究仮説(省略)

(4) 研究実践

1)生徒の実態を把握した授業計画の工夫

○事前テストを実施し、個々の生徒の既習事項の定着度を把握する。

○アンケートを計画的に実施し、生徒の学習への興味・関心、思考パターンなどの情意的傾向を把握する。

○指導目標を分析し評価規準表を作り学習過程に位置付けるようにする。

2) T・Tにおける学習形態および指導法の工夫

○一斉指導のなかでT・Tを活用し、机間指導の際に生徒一人一人の学習状況を把握し個別指導にあたる。

○グループ活動でT・Tを活用し習熟度別指導や課題別指導を行うとともに、生徒相互に助け合ったり、練り上げたりする学習の支援にあたる。

3) 習熟の程度に応じたコース別学習の工夫

○小単元毎に3コースを設定し、生徒自身が自分の力に合ったコースを選択し学習を進めるコース別学習の実施。

○到達度評価問題の結果により3コースに別れ学習を進めるコース別学習の実施。

 

四 研究の成果

 

四 研究の成果

 

全体を通しての本研究の中間成果を以下のようにまとめることができる。

(1) 事前調査などを行い、生徒の興味・関心を生かした課題設定をすることができた。

(2) コース別学習を積極的に取り入れたことにより、生徒がより高い目標に向かって意欲的に取り組むようになった。

(3) T・Tの導入により、生徒一人一人に対するきめ細かな支援ができるようになった。

(4) 授業の中で学び合いの場を多く設定したことで、相手を認めたり尊重しようとする姿勢が育ってきた。

 

五 今後の課題

 

(1) 小規模校のため全職員による各教科の研究推進を中心として行ってきたが、各教科の推進状況や内容を把握するための全体協議会を一層計画的に認定する必要がある。

(2) T・Tの効果的な指導についてさらに研究し、年間計画への位置付けなどについても研究実践を深めたい。

(3) 生徒の課題解決意欲は高まってきたが、自ら見通しを持って活動できるような支援の在り方についてさらに研究を深めたい。

 

 

 


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