教育福島0197号(1996年(H08)09月)-014page

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資料2 保護者参加の学級活動の様子(3年)

 

資料2 保護者参加の学級活動の様子(3年)

 

保護者参加の学級活動

 

中学三年生にとって進路選択に悩む時間は決して少なくない。漠然とした進路意識はあっても、具体的な選択となると当惑する生徒が多い。卒業生と語る会では、高等学校の様子や先輩の受験の体験談を聞き、高校の情報を得るが、進路選択には至らない。人生の先輩として、保護者及び社会で働いている人からのアドバイスを聞ける会を保護者会時に設けている。

親子でありながら、真剣に話す機会が減ってしまった現代において、親子が真剣に向かい合える機会でもある。このようなこともあって生徒及び保護者の両者から好評を得た。

今年は七月六日(土)両親学級での授業で全学年実施した。

 

職業体験

 

生徒が進路や職業を考えるとき、どうしても知識が先行しがちである。そこで職業を体験することは、将来の自分の生活を考える場合に大いに役立つものと思う。

昨年度も保護者や本事業の推進会議の協力を得て、二十七事業所で体験をすることができた。昨年の実績と保護者への啓蒙も実って、本年は四十三事業所での体験が可能になった。

活動は第二学年の生徒全員を対象にし、夏休みに半日行っている。今年は七月二十二・二十三日に実施した。

 

四 成果と今後の課題

 

(1) 研究の成果

1) 中学校三年間を見通した進路指導の計画がほぼ完成し、学校生活に定着しつつある。2) 実体験を通した啓発的経験から得るものは大きく、内面的に大きな成長が感じられる。

3) 学校の諸活動に地域の方々の協力を得ることから、学校への関心が高まり、以前より協力体制が整い始めている。

4) 保護者も学校に通う機会が増え、学校の教育活動に意欲的に参加をしている。

(2) 今後の課題

研究指定校ということもあって、意欲的に研究を進めてきたが、諸活動を日常の教育活動の中に組み込んだ場合、進路指導における活動の精選が求められる。生徒の進路選択の過程を考え、活動内容を取捨選択していく必要がある。また、限られた時間の中で、効果的な指導ができるよう、指導体制のさらなる改善と指導内容の見直しが必要と考える。

 

資料3 保護者参加の学級活動における生徒の感想

 

第3学年 生徒A子

7月6日(土)の両親学級で、私はたくさんのことを得ることができました。このごろ親とはあまり会話をしなくなり、何かと文句をつけてくる親を避けていました。でも実際にやってみると自分の親じゃないせいか、保護者の方々の意見を素直に聞き入れることができました。 〜中略〜 

他の保護者の方々の意見を聞くことで私の親もこう考えているのかなと思い、感謝することができました。そして、人生の先輩である保護者の方々と話すことで、社会の厳しさを少し教えていただいた気がします。

今回の会で、進路についての悩みをなくすのに役立ったのは勿論ですが、私にとっては、親との間にできたみぞをうめることができたいいチャンスでした。このような会はぜひ続けてほしいです。

最後になりましたが、保護者の方々ありがとうございました。

 

資料4 保護者参加の学級活動における保護者の感想

 

第3学年 保護者B氏

この度の授業参観につきましては、多少ながらも面食らってしまいました。私としては我が子の親として、それなりの考えを持っていたつもりですが、いざよそのお子さんを前にしては、我が子のような話し方もできず、また人生の先輩などといった偉そうなことも言えずに自分のありのままの事を言ってしまいました。 〜中略〜

同じ年の子供を持つ親としては自分の将来の職業をしっかりと考え、思っている生徒さん達が居ることを知り、大変考えさせられました。将来のことを子供ともっと話し合っていこうと夫婦で話し合ったところです。

この度は貴重な時間をありがとうございました。

 

 

 


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