教育福島0197号(1996年(H08)09月)-013page
研究実践・進路指導
自らの進路を主体的に考え選択する能力の育成をめざす教育実践
福島市立信陵中学校
一 はじめに
中学校の進路指導の改善充実を図るために、文部省の中学校進路指導総合改善事業の推進地域として、福島市が指定を受け、本校がその実践校として研究を進めている。本研究は平成六年度から三年間で、今年度が研究のまとめの年度である。以下、今までの実践の一部を紹介する。
二 研究のねらい
進路指導というと、従来業者テストや偏差値にたよる進学指導が主流であった。それによる弊害はこれまでいろいろな場面で指摘を受けてきた。
そこで、今までの指導を反省し、本来あるべき真の進路指導に立ち戻ることが研究のねらいである。生徒の進路選択は、自己の能力、適性、興味、関心等と、希望する進路先の状況、特色等を照らし合わせながら、「近未来をどう生きていくか」「将来の自分の姿を想像しながら、今の自分の生活をどうするか」等、迷いながら慎重に自己決定していく過程で行われるべきである。したがって、学校の教育活動全体を通して、生徒が自らの生き方を考え、主体的に進路選択ができるよう進めなければならない。
そこで、本事業の趣旨を踏まえながら、本校の具体的な研究のねらいを以下の四点とした。
1)学校教育活動全体を通した進路指導を推進する。2)学級活動を中核とした生き方の指導を推進する。3)関係諸団体との相互連携協力のもと実体験を通した進路学習を推進する。4)自己判断ができるための進路指導資料収集と提供のあり方を研究する。
このねらいを受けて、四つの研究部(全校活動部、学級活動部、体験学習部、進路相談部)を組織し、研究実践を進めている。
三 研究実践
実践のすべては掲載できないので、資料1にある各研究部の活動の一部を紹介する。
医療法人白寿会「エルダーランド」におけるボランティア活動
市内の老人保健施設「エルダーランド」でのボランティア活動である。毎月の第二土曜日に、第二学年の一学級が訪問し老人と交流する活動である。今年は六月九日に二年一組が訪問をした。以後、二組、三組、…と続く。
前年も第二学年が実施してきたので、保護者の理解も深まってきている。この状況もあって、学級の保護者の協力も得ることができ、生徒と一緒に老人との交流活動を行っている。
資料1 研究組織と各研究部の主な活動内容