教育福島0197号(1996年(H08)09月)-034page
班長でてきぱきと活動しています。
お別れ
〈経費について〉
林間学校の活動に必要な物品は、全て市から現物でいただいています。参加者は、食事代のみの負担です。
四 おわりに
子供たちにとって大きな行事である合同林間学校は、毎年多くの人々に支えられて回を重ねてきました。
その意義について述べてみます。
1 一人一人が自分をありのままに表現できる場であり、自分の力を十分発揮して活躍できる場となっている。
2 毎年ほぼ同じ活動内容であるため、子どもは自信を持って活動でき、それが活動への自信につながっている。
3 子ども同士毎年顔を合わせるたびに仲間意識が育っており、(注)中学校への進学の際は一緒に学習できるという期待感が感じられる。
4 本行事の協力者の養護教諭や特殊学級担任以外の教諭にとって、特殊学級の子供たちの理解につながっている。
5 キャンプファイヤーの時には多くの保護者や先生方が集まるので、障害児教育の啓発に役立っている。
6 担任にとっては、日ごろ見られない子供の一面を発見でき、今後の指導の手がかりの一助となっている。
7 特殊学校担任同士で指導の悩みなどを相談し合ったり、情報を交換し合ったりする大切な機会ともなっている。
毎年同じような活動内容のため、事前指導の段階でマンネリ化する傾向はありますが、少しずつ改善しながら、今後もこの行事が、子供たちの体験を広める場の一つとして続けていけることを願っています。
(注)ほとんどの児童は、若松第二中学校へ進学する。
「合同宿泊学習」の実践
福島市立福島第二中学校
伊勢英子
一 はじめに
合同宿泊学習は、福島市と川俣、飯野方部の各中学校の特殊学級の生徒が合同で行う行事の一つで、「福島市中学校連合」という組織を作って実施しています。
本行事は、生徒にとっては心待ちにしている行事で、日ごろ少人数学級や家庭生活では味わえない集団生活としての楽しい、有意義な活動の場が多く設定されています。同時に、日常生活や生活単元学習で段階的に指導してきた内容を、実生活の中で実践できるようにするために、総合的、集中的に体験させる絶好の機会でもあります。
また、他校生と交流を図りながら人間関係の大切さや基本的生活習慣の必要性を学ばせる場を計画し「みんなと一緒にできた」「一人でもきちんとできた」といった自信を感じとらせて、社会的自立に向けての助長を図っていきたいと考え実施しています。
次に、平成七年度の実際の一部を指導内容を中心に紹介します。
本行事は、二泊三日で行い、期間中は、各中学校の混合(男女別)で班を編成し、班長、副班長、寝具係、清掃係、保健係などの班活動を中心に生活します。
二 合同宿泊学習の実際
1 目的
(1) 相馬海浜自然の家周辺の恵まれた自然の中で、のびのびと生活させることによって、基本的な生活力や豊かな情緒を育てる。
(2)家庭を離れ、集団の中で生活することによって、社会性、公共性を養うとともに自立する力を育てる。
(3) 野外活動を通して心身を鍛えるとともに、余暇活動に関心を持たせ参加意欲を高める。
(4) 他校生との親睦を図りながら、生活経験を広め、集団生活に楽しく参加できる力を養う。
2 指導計画(表2)
3 事前の学習内容
(1) 宿泊学習の目的について
表2 指導計画
総時数 30時間
(1) 去年の宿泊学習を思い出そう…2時間
1) VTR、写真を見ながら話し合う。
2) 今年の実施日や場所を知る。
(2)宿泊学習の予定を知ろう…4時間
1) 簡単な学習予定表を作る。
2) 宿泊学習の日程表を作る。
(3)めあてや係を決めよう…3時間
1) 自分のめあてを決める。
2) 所属する班や係を決める。
(4)他校の友だちへあいさつ状を書こう…4時間
(5)目的地を知ろう…5時間
1) 目的地までの経路を調べ地図を作る。
2) 付近の自然や史跡を調べる。
(6) 野外活動の練習や準備をしよう…7時間
1) 自己紹介の練習や係の練習をする。
2) 野外活動の練験や準備をする。
(7)宿泊学習のしおりをつくろう…2時間
(8)合同宿泊学習に参加しよう
(9)体験の発表をしよう…3時間