教育福島0198号(1996年(H08)10月)-038page

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県立学校だより

 

共に生きる社会をめざして

 

共に生きる社会をめざして

県立原町高等学校

 

本校は、各学年九クラス、全校生徒一、一六二名の相双地区では最大の普通科高等学校です。「規律・協同・責任」の校訓のもと、生徒の大半が大学進学をめざしながらも、運動部・文化部の活動も活発で、各種大会で優れた成果を残しています。こうした活動の中で、地域社会から高く評価されているものに、家庭クラブのボランティア活動があります。

本校では、平成五年度から、家庭クラブの活動の一つとして、「共に生きる心のふるさとづくり」を活動目標とし、原町市内や浪江町内の各種社会福祉施設でのボランティア活動に取り組んでいます。この活動は生徒の自主参加による活動ですが、平成六年度からは、男子の家庭科必履修が学年進行で導入されたこともあり、男子生徒も積極的に参加しています。

 

家庭に招いてホームスティを実施するなど、新しい取り組みも実践しています。

 

活動は、施設の訪問を主なものとして、ほとんど毎月、土・日曜日を中心に実施しています。その都度参加希望者を募りますが、施設の受入れ体制にも制約があって、すべての希望者を参加させることはできません。平成七年度は、活動回数十七回で、延べ六五二人の生徒が参加しました。そして、特別養護老人ホームの高齢者を、クラブ員の家庭に招いてホームスティを実施するなど、新しい取り組みも実践しています。

誕生会やクリスマス会などで交流する中で、生徒たちは車いすや介護用の補助具の問題点に気付き、校内では段差解消のための携帯形スロープや移動用の補助ベルトの研究・開発にも精力的に取り組んでいます。

このような本校家庭クラブの活動は、平成七、八年度の高等学校家庭クラブ連盟研究発表大会全国大会での研究発表へとつながり、平成七年度はホームプロジェクト部門で、二年連続しての文部大臣賞を受賞しました。

 

活動は、今後の高等学校の在り方を進める上でも意義のあることだと思います。

 

本年度もすでに家庭クラブ員三百名が参加してボランテイア活動が行われていますが、生徒諸君に多くの感動を与えるとともに、高齢者や心身に障害のある人たちとの、共に生きる社会の在り方を考えさせ、社会の一員として行動させる機会となっています。そして、学校・家庭・地域の連携を目指しているこれらの活動は、今後の高等学校の在り方を進める上でも意義のあることだと思います。

 

 

 


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