教育福島0198号(1996年(H08)10月)-039page

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将来の夢、実現へいきいき学習を

県立聾学校

本校は、平成十年に創立九十周年を迎える歴史と伝統にはぐくまれた聾学校です。

幼稚部は、三歳から高等部の十八歳まで、十五年間にわたって一貫した聾教育を行っています。

現在、幼稚部・小学部・中学部・高等部の四つの学部に、八十七名の幼児、児童生徒が、自宅から、寄宿舎から、施設(隣接の光風学園)から通学し、学んでいます。

それでは、ここで学ぶ十五年間を紹介しましょう。

幼稚部には、三歳児学級(りす)、四歳児学級(うさぎ)、五歳児学級(くま)があり、十六名の幼児が通っています。普通の幼稚園と同じように学習しますが、不自由な聴覚を十二分に活用できるように、ことばを学び覚え使う、という学習をします。

 

開設し、子供への接し方や聴覚障害に関する知識を学ぶ研修会も行っています。

 

また、早期教育にも力を入れております。零歳から二歳児を対象とした教育相談も行っています。ほかに、幼児と密接にかかわる母親のために「両親講座」を年十回開設し、子供への接し方や聴覚障害に関する知識を学ぶ研修会も行っています。

地域の保育園や幼稚園との交流も盛んです。

小学部では、一般の小学校に準ずる教育を行っており、教科の学習に力を入れています。また、小体連の陸上や水泳交歓会には積極的に参加し、好成績をあげております。地域の小学校との学習やスポーツの交流を通して、視野を広げ充実した日々を過ごしています。

中学部になると、県内の二つの分校(福島分校入京津分校・平分校)から入学してきます。一般の中学校に準ずる教育を行い、教科の学習に力を入れています。また、部活動も盛んです。中体連のバドミントン競技には、学部を挙げて参加します。県中地区大会では、団体戦、個人戦とも(男子)優勝し、県大会出場の実績をあげました。地域の中学校ばかりでなく、他地区の中学校との交流も盛んです。バドミントンを通して交流の輪を広げつつあります。

高等部では、平成八年度から学科を、普通科・情報工業科・生活技術科の三学科に改編しました。

普通科は、大学進学や専門学校、職業訓練校への進学をめざしたり、公務員や事務系の職業に就けるように、また生徒の希望やニーズに応えて選択できるようになっています。普通教科を中心に、大学入試科目に合った教科や自分の興味・関心のある科目が選択できるカリキュラムとなっています。

情報工業科では、コンピュータ装置・応用ソフトを使いこなす技術とそれを活用できる能力を身につけるコースです。希望に応じて情報系、金属系、本材系を選択できるカリキュラムとなっています。生徒たちは、授業中は勿論のこと、早朝から放課後まで寸暇を惜しんで取り組んでいます。熱心で人一倍努力家の生徒たちの上達ぶりには目を見張るものがあります。目的に向かっていきいきと取り組む姿は、とてもさわやかです。

生活技術科は、豊かな家庭人、職業人としての自立をめざす新しい学科です。看護や介護に関すること、コンピュータやワープロを使いこなせる技術や知識の習得など幅の広い学習内容となっています。

 

り組む様子からは、意欲的、積極的に生きようと前進する姿勢が育っています。

 

また、部活動も盛んです。高校放送コンテストでは二年連続全国上位入賞の成績をあげております。演劇は毎年県大会に出場しています。全員が寝食を共にし一丸となって取り組む様子からは、意欲的、積極的に生きようと前進する姿勢が育っています。

特色ある学校づくりの一つとして、手話講座や身体表現セミナーといった学校開放講座を三日間から十日間の日程で開催し、県内はもとより全国から聾学校・高校の関係者等が集まります。今年度も大盛況のうちに終わりました。

 

 

 


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