教育福島0198号(1996年(H08)10月)-042page

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県立文化功労賞、教育・文化関係表彰者決まる

 

平野博氏 小林清治氏に文化功労賞

 

平成八年度の県文化功労賞受賞者に芸術部門(民俗芸能)の平野博氏と、科学部門(史学)の小林清治氏が決まりました。

県教育委員会は、九月十九日(木)の定例教育委員会の席で本年度の県文化功労者及び教育・文化関係表彰者を決定しました。これを受けて同日の十六時十五分から渡退貞雄教育長が記者会見を行い、文化功労賞受賞者二名、教育・文化関係功労者二十五名、教育・文化功績顕著な十二団体・施設及び永年勤続表彰者四百五十名を発表しました。

本県の教育・文化の振興発展に貢献し、その功績が顕著であるとして表彰を受ける方々は別掲のとおりです。なお、表彰式は来る十一月二日(日)の文化の日に県文化センターにおいて挙行されます。

 

文化功労賞受賞者

 

福島県の文化の向上に著しい業績を残された個人に授与される福島県文化功労賞の受賞者には平野博氏(七十一歳・檜枝岐村)、小林清治氏(七十二歳・福島市)の二名が選ばれました。両氏の略歴と業績は下に記したとおりです。

 

芸術部門

(民俗芸能)

平野博氏

 

【主な功績】

 

【主な功績】

1 江戸時代の寛政・文化の頃伝わったとされる檜枝岐歌舞伎の伝承者である。

檜枝岐歌舞伎の上演団体である千葉之家花駒座員として、昭和二十一年に初舞台を踏んで

以来現在も活動を続け、この農民民俗芸能が県内はもとより全国的に高く評価される原動力となった。

2 昭和五十二年からは座の副座長として自らも歌舞伎を上演して中心的役割を演じ、また昭和五十八年からは座長として座をまとめると共に、若者の離村による後継者不足を解消するために地元中学生などへの指導につとめ、檜枝岐歌舞伎の保存と伝承に尽力している。

3 毎年厳寒期の夜間、新入や役替えした座員にたゆまぬ指導を行い、四月に村民に上演・発表して地域住民のコミュニケーションづくりにつとめる一方で、県内外の公共団体の要請を受けて公演し、地域交流と地域文化の向上を図っている。

 

科学部門

(史学)

小林清治氏

 

【主な功績】

 

【主な功績】

1 長らく福島大学教育学部教授として学生の指導に当たり、県内外の教育界に優れた人材を送り出す一方、「福島県史」をはじめ、県内各市町村史の監修者、編纂委員を数多くつとめ、その刊行事業の中心的役割を演じて貢献するとともに、執筆活動を通じて地域文化の向上に大きく寄与した。

2 日本中世史、特に伊達氏や豊臣氏研究をはじめとする中世後期研究の権威者として全国に知られ、広く県内外で研究活動を展開し、優れた著作・論文を数多く発表している。

3 昭和五十年六月から福島県文化財保護審議会委員として、平成七年六月からは審議会会長として、福島県の文化財の保護と活用、さらには県民の文化財保護意識の高揚のために尽力した。また、市町村や各種文化団体の要請に応じて適切な指導助言を行い、文化財の保護と文化のレベルアップに貢献した。

 

 

 


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