教育福島0200号(1997年(H09)01月)-036page
思った以上に色がつきにくく彩色が難しい。活動をとおして創意工夫していくとともに、教師の支援や援助によって、自分の思いや願いを十分に表現できるようにする。
オ 作品を鑑賞し合う
作品を展示し、自他のよさを見つけ、お互いに賞賛し合う。
児童作品「あの魚をこの手に」
(3)「ゆかいな森のモビール」(つくりたいものをつくる)
1)題材の目標
森の中の楽しい語らいを想像してつつ下げたい物を考えてつくり、つり合いを工夫してゆかいな森のモビールをつくることができる。
2)活動の流れと指導のポイント
ア モビールと出合う
提示された教師による未完成の試作品により、モビールの動きのおもしろさに気づく。また、未完成の試作品であることから、さらにどんな工夫をしていけば楽しいモビールになるか話し合う。
イ つり下げたい物を発想する
森の中の楽しい語らいを想像してつつ下げたい物を発想する。登場人物や会話の内容を考えたり、教師による試作品の話を聞いたりすることで発想を広げていく。
ウ アイデアスケッチを描く
自分のイメージしたつり下げる物だけでなく、モビールの形など全体像も構想しながら気楽に描く。使いたい素材などもできるだけメモし、構想を練っていく。モビールの形をイメージできない子供は、個別に試作品や提示された参考例を生かす。
エ 素材を集める
校舎の周りの雑木林を歩いて自分のイメージに合ったつり下げる物やモビールの素材を集める。作りながら発想していくタイプの子供は、使えそうな素材をできるだけ多く集めるようにする。
オ つり下げる物を作る
自分のイメージに合った素材を使って、大きさや重さ、色あいなどを工夫しながらつり下げる物を作る。準備した用具や工具の正しい使い方を確認して活動に入る。アイデアスケッチをもとにした表現活動が中心となるが、作りながら発想したことも生かし、自由に作っていく。つり下げる物はできるだけ多く作る必要がある。そのため、一つ一つを丁寧に時間をかけて作るのではなく、主となる物と従となる物とを意識して作っていく。
つり下げる物
カ モビールに表現する
つり下げる物のつり合いを工夫しながらモビールに表現する。また、楽しいモビールにするため、飾りなどもつけていく。
キ 作品を鑑賞し合う
作品を展示し、自他の作品のよさを見つけ、お互いに賞賛し合う。
モビール作り
五 子供の実態
(1)図画工作科のアンケート
1)ねらい
子供たちが図画工作科の学習についてどのように感じているのか、そして、研究実践をしていく中でその意識がどのように変容していくかを比較するために行う。
六 研究の成果と課題
(1)成果
○アンケートの変容から、図工が好きな子供が増えてきたことがわかった。また、自分らしい発想や表現に自信をもてるようになり図工に対する意欲が高まってきていることもわかった。
〇地域素材を生かした題材開発の