教育福島0200号(1997年(H09)01月)-051page
教育・イン・ザ・ワールド
海外派遣教員による外国教育事情の紹介
国際化にふさわしい教育の話題をシリーズで紹介する「教育・イン・ザ・ワールド」。 今回は、英語担当教員海外派遣でイギリスに滞在された喜多方高校の星雄一先生からのレポートです。
このたび平成8年度中学校及び高等学校英語担当教員海外研修に参加させていただき、イギリスに2ヵ月滞在しました。7月末から9月末にかけての、日本では一番暑い時期でしたが、イギリスの夏は湿気が少なく、快適に過ごすことができました。まずエセックス大学で5週間研修し、その後ストラットフォード・アポン・エイボン、ヨーク、エジンバラ、湖水地方などを訪れ、最後にホームステイをしながら学校訪問をしました。
イギリスは、最近は斜陽の国とみなされていますが、実際に行ってみて感じたのは、歴史の重みとそれが持つ底力です。例えば、ロンドン塔で見た歴代女王の、ダイヤなどの石がちりばめられた王冠。また、ナショナルギャラリーに無造作と言っていいくらいになにげなく並べられたゴッホ、ルノアール、ピカソなどの作品。これらイギリスの遺産には底知れないものを感じました。
学校訪問はコルチェスター市にあるセントヘレナという中等学校でした。11歳から16歳までの生徒たちは、日本の生徒のように制服姿で人なつこく、生徒というのはどこも同じだなと好感を持ちました。
日本との違いを感じたのは、グループで討論しその結果を口頭で発表するという国語の時間でした。このような能力は、これからの国際社会の中で日本人にも求められると思われるだけに、日本の教育においても養成するべきではないでしょうか。
エジンバラ城
ロンドン塔
大英博物館正面