教育福島0201号(1997年(H09)02月)-025page

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平成9年度企画展概要

福島県立美術館

 

1 ロバート・メイプルソープ展 4月19日(土)〜6月1日(日):37日間

ロバート・メイプルソープ(1946-1989)は、20代半ばでニューヨークの写真界に彗星のように登場し、42才の若さで早世するまで、独自の古典的な感性と完璧さを備えた衝撃的な作品を次々に発表し、世界中にセンセーショナルな感動を与えた注目の現代芸術家です。エイズで他界した後も、その評価は賛否両論を起こしながら高まり続けています。本展は、神秘的な輝きを放ちながら人間存在の普遍性を追求したメイプルソープの写真芸術を、「ポートレイト」「静物」「裸像」「性」の主要テーマによる約180点の作品で構成した、没後わが国最大の回顧展です。

 

2 斎藤清の全貌展 第1部 6月10日(火)〜7月13日(日):30日間

第2部 7月19日(土)〜8月24日(日):32日間

わが国の創作版画を代表する版画家・斎藤清(1907-)の芸術は、国内はもとより国際的にも高い評価を受けるとともに、その独創的な構成美が数多くの愛好家を魅了し続けてきました。また斎藤清は、本県出身として当県立美術館コレクションの特色づくりに大きく寄与したことなどにより、平成7年度文化功労者を受賞したことは記憶に新しいところです。

本展は、斎藤清のこうした功績をふまえ、平成9年で満90歳を迎えるのを機に、多様な斎藤芸術の全貌とその精髄を、1部・2部の会期を通じて約500点近い作品で検証する過去最大級の回顧展です。

 

3 ジャン・デュビュッフェ展 9月6日(土)〜10月5日(日):25日間

ジャン・デュビュッフェ(1901-1985)は、戦後フランスを中心に国際的な潮流を形成した美術運動であるアンフォルメル(非定形絵画)の代表作家として、絵画のみならず彫刻や環境造形の分野でも活躍した20世紀芸術の巨匠です。「真の人間性」と「ありのままの現実」を芸術に求め、原始的で純粋な生命力を造形化する〈生の芸術〉(アール・ブリュット)を提唱したことで知られます。

本展は、初期から晩年に至る絵画・素描・彫刻などを含めた代表作約130点によって、幼児たちの自由な創作にも通じるデュビュッフェ芸術の全容を紹介する大回顧展となります。

 

4 細工物の世界展(仮称) 10月18日(土)〜11月24日(月):33日間

古来より日本人が生み出してきた造形の歴史には、彫刻や工芸にも分類できない手技の妙が最大限に活かされた〈細工物〉の豊かな世界があります。これらは、近代以降に日本文化が西洋の美術概念とは異なる日本固有の視覚文化でした。本展では、時代とともに失われつつある置物・からくり・人形・玩具・袋物など、生活の多岐にわたり育まれてきたこれらの細工物を約300点展示し、日本人固有のモノの見方や造形感覚などを探ろうとするものです。

 

5 北欧絵本の作家たち展 12月6日(土)〜1月18日(日):29日間

北欧は古くから神話と童話の国として、優れた児童文学者や童話作家を数多く輩出していることは周知のとおりです。特に今世紀に入ると、「ムーミン」「ニルスの不思議な旅」などを初めとする世界絵本の代表作品が数多く生まれ、日本はもとより世界各国の子供たちの必読絵本となってきました。本展は、ノルウェーのドーレア夫妻、フィンランドのトーヴェ・ヤンソン、スウェーデンのオッティリア・アーデルボリら北欧三国を代表する世界的な絵本作家の絵本原画など約200点によって、雄大な自然と透明な大気が育んだ北欧絵本芸術の世界を紹介します。

 

6 コンピューター・グラフィックスの現在展 2月14日(土)〜3月29日(日):38日間

今日のコンピュータ技術の飛躍的な進歩は、情報・通信の枠組みのみならず造形芸術の分野にも大きな変革をもたらしています。特にCG(コンピュータ・グラフィックス)を駆使したヴァーチャル・リアリティ、インタラクティヴ・アートは、観客が作品に参加することによって成立する、まったく新しい発想のアートです。本展は、国内外で活躍するCGアーティスト約10名の最新の仕事を通じて、アートとテクノロジーの末来像を探る参加型の展覧会となります。

 

 

 


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