教育福島0201号(1997年(H09)02月)-035page

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に進められるよう工夫改善した。

2)生徒会活動を見直し、望ましい食生活の知識やマナーを啓発する生徒の自主的活動を推進した。

(3)食生活に関する知識やマナーの育成

1)学校栄養職員や養護教諭、また地域の人による食と健康に関する講話を全校集会の中に計画的に位置づけ、実施した。

2)給食準備時間を生かし、生徒会専門委員による全校放送栄養一口メモや正しい食事マナーについてのテレビ一口メモを工夫し、食生活やマナーについて啓発した。

(4)栄養管理についての知識の育成

1)学級担任と養護教諭・学校栄養職員との連携を図り、適切な指導助言など個別指導を工夫した。

2)コンピュータを活用し、生徒が自分の食生活を見直し、食事の自己管理能力が身につくよう工夫した。

(5)授業研究

教科や特別活動との関連を図り、題材開発に努めるともに、授業研究を計画的に行った。

(6)家庭・地域との連携推進

「給食だより」や「献立予定表」等を家庭に配布するとともに、各校持ち回りで毎月発行する学家連携だより「ふるさと」を村内全戸に配布することにより、食生活についての意識を高めるよう工夫した。

 

2 家庭部会

(1)給食試食会・招待給食の開催

各学校PTA給食委員会が主体となり、保護者対象の試食会や祖父母・一般村民対象の招待給食を実施した。

(2)料理教室の開催

1)児童が体験学習として栽培、収穫したサツマイモや米を保護者とともに調理したり、給食に利用し食することで収穫を祝い、食文化への意識を深めた。(写真下)

2)クリスマスケーキや夏のおやつを親子で料理し、料理技術の向上を図った。

3)肥満傾向の生徒を対象にした料理講習により、食生活改善への意識を高めた。

 

体験学習

 

体験学習

 

(3)教育講演会の開催

授業参観や試食会を利用し、学校栄養職員等を講師として食に関する講演会を実施した。

(4)広報活動

学校給食に関する資料や、学家連携事業の概要、給食献立の実物などを村の産業文化祭に展示した。

 

3 地域部会

(1)骨粗鬆症に対する取り組み

地域の実態として骨粗鬆症が多いことから、小中学生から老人までを対象として地域ぐるみで疾病の理解や予防のための食生活改善を図った。

(2)歯科に対する取り組み

「わんぱく教室」の開催等、幼児とその母親を対象とした歯科指導を行った。

(3)食生活改善推進事業の取り組み

食生活改善推進員による試食会や伝達講習会の実施により、地域住民の健康増進を図った。

 

五 研究の成果と今後の課題

 

1 研究の成果

(1)研究主題を受けての組織の確立とともに、連携推進委員会を母体とした事業推進により、各学校が施設設備の異なる状況のなかで自校に合った給食活動や栄養教育を展開することができ、家庭や地域との連携の進め方もわかってきた。

(2)教育活動全体を通した指導によって、児童生徒の望ましい食生活に対する意識が高まってきた。

(3)連携だより等の各種広報活動や給食試食会、招待給食、村産業文化祭への出展などにより、家庭や地域の人々の学校給食に対する理解と関心が高まり、食生活改善への意識の高揚を図ることができた。

 

2 今後の課題

(1)児童生徒主体の効果的な授業や集会活動の工夫など、食教育の指導方法、指導資料、指導実践等についての研究を各校の連携を図りながらさらに深めていきたい。又食事にふさわしい環境を整え、多様な給食の場や形態を工夫するなど給食指導の一層の充実を図りたい。

(2)研究の深まりとともに学校給食の意義について教師の意識が改善され児童生徒の変容も見られるようになってきたが、家庭や地域における食生活に対する意識面ではまだ課題が残されている。今後は働きかける方法や内容をさらに工夫改善していきたい。

(3)地域への活発な広報活動を行ってきたが、学校と地域が連携していく具体策は十分でなかった。今後は、学校給食に地場産品を取り入れるなど学校給食と地域の結びつきをさらに深めていきたい。

 

 

 


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