教育福島0202号(1997年(H09)04月)-021page

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研究実践

 

豊かな心を培い、進んで実践する児童の育成

豊かな体験活動を通して

いわき市立磐崎小学校

 

一 研究実践の概要

 

1 体験との関わりを重視した道徳の時間の指導の充実

 

(一) 諸計画の見直しと改善

年間指導計画は、他の教育活動との関連を明記し、意図的・計画的な実践が図れるようにした。

主題配列一覧表は、諸活動との関連を示し、体験との関わりを明らかにした。

(二) 体験との関わりを重視した授業の工夫

指導過程の基本形を設定し、指導の段階を「気づく」「考える」「見つめる」「高める」とした。各段階において、学年の発達段階を考慮して、体験との関わりを重視しながらさまざまな指導の工夫を行った。

(三) 道徳的価値についての内面的な自覚を深めることができる多様な指導方法の工夫

(四) 具体的な道徳的実践に結びつく指導の工夫

 

2 各教科、特別活動及び日常生活における体験活動の充実

 

(一) 教育活動全体の見直しと改善

(二) 多様な体験活動

(1) なかよしふれあいデー

毎週木曜日の大休憩は、異学年との交流を進め、下級生への思いやりの気持ちや上級生を敬う気持ちを育てるようにした。

(2) 草花とのなかよし週間

身近な自然とのふれあいを深めるために、校庭や学校周辺の草花を描く活動を行った。また、描いた作品を廊下に掲示するとともに、ビデオに撮って、お昼の放送で紹介した。

(3) さわやかタイム

毎週金曜日の朝八時から十分間を活動する時間とした。これは、自分のために、みんなのために楽しく気持ちよい学校生活が送れるように自主的に取り組む奉仕活動として設定した。

(4)ミニボランティア体験活動

これからの社会に欠くことのできないボランティアの精神の素地を培うことをねらいとして、手話教室やアイマスクをしての歩行、車いすの体験活動などを実施した。

(3) 道徳的環境の充実と整備

○オアシス運動

○あいさつ標語づくり

○道徳コーナーの設置

○心の広場の設置

○栽培活動

○「藤原川の友だち」看板つくりと設置

 

3 家庭・地域社会との連携の重視

 

(一) 児童の道徳性に関わる保護者の意識調査

(二) 基本的な生活習慣の定着を図るための家庭との連携

家庭生活のめあて「いわさきっ子」を通して、家庭での生活習慣が身につくよう保護者の協力を得ながら、取り組んできた。

(三) 家庭・地域社会の理解を深めるための啓発活動

(1) 道徳だよりの発行

毎月発行し、道徳教育研究の様子や体験活動への児童の取り組みの様子等を紹介した。

(2) 全学級による道徳の授業公開と道徳教育講演会の実施

(3) 「あいさつ運動」による地域との連携

青少年健全育成市民会議と連携して行ってきた。また、「あいさつ運動標語コンクール」「非行防止標語コンクール」にも参加した。

 

二 研究の成果

 

1 体験を効果的に授業に取り入れることにより、児童は、意欲的に価値の追求に取り組み、道徳的価値との関連から自分自身の生活を見つめることができるようになってきた。

 

2 体験活動の場が充実したことにより、児童は、新たな発見や気付きを得ることができるとともに、意欲的に道徳的実践に取り組むようになってきた。

 

三 今後の課題

 

児童の道徳性をより的確にとらえ、その変容を把握する評価の方法のあり方について研究を深める必要がある。

 

 

 

 

 


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