教育福島0202号(1997年(H09)04月)-022page

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高い目標をもち、自己の向上を目指し、豊かな心を育成する道徳教育

目標をもち、課題を追求していく道徳的実跡力の指導を通して

岩瀬村立岩瀬中学校

 

一 はじめに

 

研究の推進に当たっては、生徒は常に豊かな社会的自己実現を図りたいと願っている存在であるととらえた。また、生徒一人一人の活動が盛んになれば、道徳的価値への気付きがより豊かに進展できるのではないかと考えた。

そこで、研究に当たっては、進路選択の能力育成を重視した「目標指導」を基盤に置き、「道徳の授業の充実」を中心に据えた。そして「道徳教育指導計画の充実」「教科指導の充実」「特別活動の充実」「日常生活における基本的生活習慣への援助の充実」「家庭・地域社会との連携の充実」との相互の関連を図りながら実践的な研究を進めてきた。

 

二 研究の概要

 

本実践の『高い目標をもち、自己を向上させながら、豊かな心を持った生徒を育てる』を達成するには、

 

1 道徳教育指導計画の充実

 

(一) 実践計画を伴う全体計画の充実

1) 生徒の実態調査、保護者、教師の願いをもとに重点目標の設定をする。

2) 重点目標にかかわる指導項目を明確にし、学校の教育活動でどのように指導していくのかを教育課程に具現化する。

3) 重点目標の実践計画を作成する。

(二) 学年の重点目標に即した道徳教育年間指導計画の改善と効果的な活用

1) 重点目標に関連のある内容項目の指導に、学年ごとに年間三〜五単位時間を割り当て発展的な指導を図る。

2) 主題の構成や配列においては、特に、学校行事等との有機的な関連を図り、体験的な活動を通して豊かな心を育む。

3) 展開の大要の作成に当たっては、具体的な指導場面をおさえるとともに、事前や事後の指導との関連も図る。

4) 学習指導案の作成に当たっては、資料分析を行い、生徒はどのような心の動きを示すのか、また、どの部分を取り上げればそれぞれの思いをふくらませて道徳的価値をより深く自覚していけるのかを予測し、実体にそったものにする。

(三) 学級における道徳の指導計画の改善と道徳的実践の指導

1) 各教科や特別活動における道徳教育、生徒指導における道徳教育、基本的な生活習慣に関する指導計画などは、学年で統一し有機的な関連を図る。

2) 豊かな体験活動、教育環境の整備、他学年・学級・地域社会との連携についての主要な内容を月ごとに明示する。

 

2 教科指導の充実

 

(一) 自分の課題をもち、意欲的に学習しながら、基礎・基本を身に付けさせる。

(二) 生徒指導の機能を生かす。

 

3 道徳の時間の充実

 

(一) 本校における道徳の授業の指導過程の基本型を設定し、実践事項及び具体的な手だてをもうける。

(二) 事前・事後指導を意図的に設定する。

 

4 特別活動の充実

 

5 日常生活における基本的な生活習慣への援助の充実

 

5 日常生活における基本的な生活習慣への援助の充実

 

5 日常生活における基本的な生活習慣への援助の充実

 

6 「目標指導」の充実

 

7 家庭地域社会との連携の充実

 

以上、七点に取り組み、特に、3の道徳の時間の充実について重点的に取り組んできた。

 

三 研究の成果と今後の課題

 

資料分析による中心価値の把握、中心発問の明確化、及び、多様な学習方法により、道徳の時間に興味・関心をもって取り組む生徒や、道徳の授業の指導はもちろん、事前及び事後指導を重視したことにより、自分に対する課題意識をもって生活しようとする生徒の姿が見られるようになった。

今後は、道徳の授業の導入部分をさらに短縮し価値の内面化を図る手だてをいっそう工夫していきたい。また、地域社会との連携についてさらに継続して取り組んでいきたい。

 

 

 


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