教育福島0202号(1997年(H09)04月)-035page
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調査項目は、次のとおりである。
○適応を探る項目(図2の1)〜5))
○順応を探る項目(図2の6)と7))
○好ましい人間関係をみる項目(図2の8)と9))
○互いのよさや違いを認め合えるかをみる項目(図2の10)と11))
(2) 指導援助の実際
1) 構成的グループ・エンカウンター
他者とのかかわりを深め、他者を受け入れることを目指した演習を取り上げて、指導援助にあたった。校種ごとに実践した演習は、表1のとおりである。
実践にあたって特に配慮したことは、振り返りの段階で級友の発表内容に対しての考えを自由に発表できるようにしたこと、教師が自分の思いを述べて学級の雰囲気を和らげるようにしたこと、順応の生徒に活躍の場をできるだけ多く与えたことなどである。
2) 小集団による話し合い
構成的グループ・エンカウンターの実施の後に、級友とさらに深くかかわる場面をつくり、その中で互いのよさへの気づきを明確にさせるために、六〜八名のグループによる小集団による話し合いを実践した。
実践にあたって特に配慮したことは、順応の生徒が偏らないようにグループ編成したこと、必要に応じて面接等により参加への意欲づけを図ったこと、個々の生徒のまだ知られていないよい面を捉えることができるように働きかけたことなどである。
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構成的グループ・エンカウンター
小学校「信頼の目かくし歩き」
三 研究のまとめ
図2は、中学校のアンケート結果から学級平均を算出し、事前と事後を比較したグラフである。本年度の研究で視点を当てた10)と11)の項目でプラスの変容がみられた。この傾向は、小学校でも同様であった。
この図からも分かるように、生徒は級友のよさや自分との違いに気づき、学級への所属感を高め、自分から環境に働きかけるようになった。また、級友のいろいろな考えを受け入れながら、自分らしさを出して活動するようになり、学級生活に活気が出てきた。
図2 事前・事後の比較
(学級平均:-事前、-事後)
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これらのことから、互いのよさを認め合う人間関係づくりを主眼に研究を進めたことは、研究を推進する考え方として適切であった。
さらに、研究主題にせまる上では、次の実践が特に有効であった。
○順応の生徒を中心に指導援助にあたったこと
○『印象に残った友達』の欄を設け、級友の感想や考えを意識させながら演習の振り返りを実施したこと
○演習での成果を生かし、互いのよさへの気づきが図れるよう工夫して小集団の話し合いを実施したこと
なお、本研究の詳細については「平成八年度研究紀要(第26集)」を参照してください。
表1 校種ごとに実践した演習名
校種学年 回 教科等 演習名
小学校4年 1 <分害> あなたへのメッセージ
2 体育 信頼の目かくし歩き
3 学級活動 ブレーンストーミング
4 <分割> ブラインドデート
5 道徳 立場かわれば
中学校2年 1 学級活動 私ってどんな人?
2 <分割> 今週のスポットライト
3 道徳 目かくしジョギング
4 学級活動 立場かわれば
※<分割>とは、朝の会や帰りの会などを利用して、数回にわけて実施したものである。
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