教育福島0202号(1997年(H09)04月)-034page
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教育センターから
一人一人のよさや違いを認め含う
学級の人間関係づくりに関する研究
(2年次)
教育相談部
一 研究のねらい
現在の児童生徒(以下生徒と記す)は、幼少期から人間関係が希薄になりがちであり、友達ができない、友情の意味が実感できないなどの理由で、孤立感を深めている生徒も少なくない。
これは、生徒一人一人が自分らしさを出すことができない、また、出したとしても、それぞれの自分らしさをよさや違いとして受け入れ合うことができないためと考えられる。
そこで、生徒一人一人が学級という集団との調和を図り、自分らしさを生き生きと発揮するためには、互いのよさや違いを認め合う人間関係づくりが必要であると考え、本主題を設定し、構成的グループ・エンカウンターを中心とした指導援助を、小・中学校それぞれ二学級で実践した。
二 研究の概要
1 研究主題についての考え方
これまでは、「個」すなわち個人への指導援助に重きが置かれがちで、「環境(学級の人的環境)」との調整という視点からの指導援助が弱かったと思われることから、「個と環境の調整」という視点から生徒相互の人間関係に焦点を当て、研究を進めることにした。
本研究では、生徒が互いのよさに気づき、それを認め合うことを繰り返すことによって、その結果、互いの違いに気づくようになると考え、「ありのままの自分でいい」と実感できる場と機会を意図的に設定して指導援助にあたることにした。
図1は、級友とのかかわりを通して、自己理解や他者理解が深まり、他者へ働きかけるようになることを示したものである。
図1 本研究で目指す学級の人間関係づくりの構想図
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2 生徒のグルーピング
アンケートと学級担任の日常の観察を基にして、生徒を《適応》《順応》《不適応》にグループ分けし、この中から学級集団と適応が図られているように見えるが、実は学級集団に同調しているだけで、日ごろなかなか教師の目が届きにくいと言われる《順応》の生徒に焦点を当てて研究を進めることにした。
3 実践内容
(1) 生徒の実態把握
アンケートにより、生徒一人一人の学級生活の実態をとらえることにした。
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