教育福島0204号(1997年(H09)07月)-022page

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6) 多様な体験や交流のできる学習の場にする。

7) 望ましい食事環境を工夫し、好ましい人間関係を深める。

8) 家庭・地域との連携を密にする。

 

十一 校内研修の充実

 

これからの学校教育においては、子供たちが豊かな個性を発揮しながら主体的に生きていくことができる資質や能力を育成する必要がある。

このためには、教職員がその使命を自覚し、自らの資質の向上のために研さんを積むことが大切である。各学校においては、校内研修を一層充実させ、教職員が主体的に研修を進め、その成果を共有するなどして指導力の向上に努めることが重要である。

 

1 研修体制の整備・充実

 

校内研修は、自校の課題を解決するための研修であり、学校の活性化と教師の成長との両面においてきわめて重要であることを認識し、次の点に留意しつつ研修体制を整備・充実していくことが大切である。

(1) 校長、教頭、主任などがそれぞれの職責に応じて、自校の教育課題を明確にして、その解決のためのリーダーシップを発揮すること。

(2) 教職員一人一人の役割分担を明確にし、全員による組織的な研修を推進すること。

(3) 教職員の特性を生かすとともに校務分掌との関連を図るなどして、意欲的に研修が推進できるよう組織を工夫すること。

 

2 研修内容の検討・改善

 

研修内容は、「学力の向上」が本県の重要な課題の一つであることを踏まえ、各学校の教育目標具現化の一環として学校運営の中に位置付け、教職員共通の課題解決を図ることを原則とする。特に次の点に留意して内容の検討・改善に努めることが大切である。

(1) 自校の当面する課題の解決・改善に向けた共通主題を設定し、日常の実践をとおして、その解決を図るようにすること。

(2) 児童生徒の実態や教職員の切実な課題意識を基にした授業の質的な充実・改善についての研究を中心にすること。

(3) 学習指導要領の主旨を実現するため、児童生徒一人一人のよさや可能性を生かし、新しい学力観に立つ「学力の向上」を一層図ることができる研修内容にすること。

 

3 研修の評価・改善

 

次の観点から計画的に評価を実施し、研修の方法、内容の改善、修正に生かすことが大切である。

(1) 研修主題、内容の評価

1) 自校の教育目標の具現と当面の課題解決に役立つものとなっているか。

2) 教職員一人一人の課題意識に支えられ、実践可能なものとなっているか。

(2) 計画・実践の評価

1) 計画が学校運営計画の中に位置付けられ、年間を通じ組織的、継続的に実践されたか。

2) 全教師の共通理解のもとに、責任分担が明確にされ計画・実践がなされているか。

(3) 研修成果の評価

1) 研修成果が、児童生徒の望ましい変容となってあらわれ、毎日の教育活動に生かされているか。

2) 今後の課題が明確にされ、継続化が図られているか。

 

4 研修時間の確保

 

校内研修を充実させるためには、研修時間を計画的に確保するとともに、研修会等の運営を能率的に進めることが大切である。

(1) 教育課程全体を見直し、研修時間を年間計画や月、週の計画に位置付ける。

(2) 集中的な研修が可能な長期休業を活用すること。

(3) 共同研究の運営の効率化を図ること。

1) 事前に研修内容を周知させる。

2) 事前に問題点を集約し、方向付けをしておく。

3) 記録を累積し、その後の研修に生かす。

 

十二 幼稚園教育の充実

 

1 幼稚園教育の現状と課題

 

就学前になんらかの集団生活を経験している幼児が、九割を超える現在、幼稚園教育に対する社会の期待や関心が高まってきているが、幼児期の教育を全て幼稚園に期待し依存する風潮も見られる。また、少子化が進み親は子供に大きな期待をかけ、その期待が望ましく幼児が育とうとしている姿とずれている現象も見られる。

一方、幼稚園では、遊びをとおして自分の興味や欲求に基づいた直接

 

 

 


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