教育福島0206号(1997年(H09)10月)-029page

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たくない」と言って欠席したのである。T君の心を察すると、周りの子供たちがどんなふうに迎えるのかが不安になった。もしかしたら、このまま明日も欠席してしまうんじゃないかとも思った。周りの先生方に相談し、子供たちと話をしてみる事に決めた。ところが、いざ子供たちの前に立つと、どう言葉をかけていいのか、どうずればわかってもらえるのか、と考え、言葉に詰まってしまった。考えたあげく、私が最初に言った言葉は、

「みなさんは『失敗』をしたことがありますか?」

であった。ユーモアを交えて、楽しくするはずだった私の自己紹介は、全く逆の『私の失敗談』に変わってしまった。次第に緊張がほぐれ、子供たちも自分の失敗した経験を話してくれた。この時間、子供たちと私が見つけた答えは、誰にだって失敗はある。弱いところや人に見られたくないところはあるんだ、ということだった。次の日、遅れて姿を見せたT君に、男の子が一人そっと声をかけ、自然に輪の中に入ることができた。このようにT君を迎えてくれた子供たちに、私は感謝した。

四か月を経た今、私が最も難しいと感じていることは、子供たちの行動の奥にあるものを理解することである。

周りの目を引くためわざと目立つ行動をしたり、甘えたりするK君。小さなことに、本気で言い合う子供たち。その度に、子供たちの話をしっかり聞いてやり、その子に合った語りかけ方を考えていくことから始めている。

それでも、出張で不在を告げた時に、「えー」と言って残念そうな顔をしてくれる子供たちを見ると、私も子供たちと学び合いながら、一緒に歩み続けたいと思う。

(富岡町立富岡第二小学校教諭)

 

心に残る言葉

渡辺栄一

 

子供たちのために頑張ってください

 

子供たちのために頑張ってください

転任のあいさつで村役場に行ったときの教育長さんの言葉です。

育てたように子は育つ

相田みつをさんの言葉です。親や教師にとって、厳しい言葉です。

やさしく、かくこく、たくましく

母校の小学校の教育目標です。健やかに成長してほしいと思います。

よい習慣は、よい人間をつくる

入学式の祝辞での言葉です。毎日実行しないと身につきません。

運転は、命がけより心がけ

カレンダーで見かけた標語です。時間にゆとりを持ってハンドルを握りたいです。

一火事、二金、三ビンタ、酒色に溺れて、ごろり瓢箪(ひょうたん)

学校火災、金銭トラブル、体罰、酒乱、色恋ざたに注意せよ。十年研での退職された校長先生の言葉です。ごろり瓢箪の意味がわかりません。

あ、まぢがった!

授業中、自分のミスに気がついた時の、功君の言葉です。実にさわやかに間違いを認める生徒でした。

仕事の出来は、段取りが八割

なまけないで、教材研究や、準備をきちんとやりたいと思います。

学び続ける教師だけが、生徒に教える資格がある

「授業を変える」という冊子の中の言葉です。過去の財産を食い潰すだけでなく、どんどん新しい知識を吸収して、パワーアップしたいと思います。

心を変えれば、人生が変わる

心を変えれば、意識、行動、習慣、成果が変わっていき、人生を変えることができるということです。

自分の感受性くらい自分で守れ、ばかものよ

詩人の茨木のり子さんの詩の一節です。自分の人生の主体は、自分だというこを、実感させられます。

のんき・げんき・こんき

あわてず、あせらず、短気は損気心にゆとりを持ちたいです。

四L(見る、聴く、導く、笑う)

ルック、リッスン、リード、ラフの四つの頭文字です。このことを常に心がけて子供たちと生活したいと思います。

 

今まで、先生方や子供たちから数多くのことを学び、考え、感じてきました。これからも鈍感な自分の感性を磨き、心にゆとりを持って、感動の多い生活をしていきたいと思います。

(小野町立小野中学校教諭)

 

 

 


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