教育福島0206号(1997年(H09)10月)-040page
県立学校だより
地域に根ざした学校づくり
福島県立富岡養護学校
本校は、知的な障害のある子供を対象にしている養護学校です。児童生徒数は七十二名で、近くの東洋学園や相双地区一円から通学しています。また、家庭に教員を派遣する訪問教育も行っています。
個別の教育計画よる一貫教育
四月に高等部が開設され小学部から高等部まで十二年間の連続した教育体制ができあがりました。「個に応じた指導」は、養護教育の根幹ですが、社会の変化に伴い障害のある子供の保護者のニーズはますます多様化しております。そのような中で、本校が推進する小・中・高の一貫教育は「教育内容に一貫性をもたせること」と捉え、「個別の教育計画」を立案し、個に応じた指導の充実を目指して取り組んでいます。
小学校七夕まつり
親の多様なニーズに応える教育
現在、体や目が不自由である等、障害が重複している子供たちがたくさん学んでいます。
保護者は、自宅から通学できる学校に就学させたいという願いをもっています。この保護者の要望にできるだけ応えるため、教育課程を整備し、担当教員の専門研修や施設の改善を行い、安心して子供を通学させられるよう教育環境整備に心がけております。
本校には、養護教育センターの地域相談室の相談員が一名委嘱されており、さまざまな障害のある子供の相談に応じています。また、教育に悩む保護者の相談も継続的に行い、きめ細かな対応は、保護者や関係者の厚い信頼を得ています。
地域から信頼される学校
学校・東洋学園・保護者・地域の四者がお互いの立場を理解し合い、調和のある協力体制が、創立以来の本校の特色になっています。学校祭や富岡第一中学校との交流は毎年恒例となり、地域の人々や生徒との相互理解に役立っています。
地域の熱い期待を担いながらスタートした高等部の作業学習では、主に作物栽培や封筒折り、使用済みアルミ缶の収集・整理作業等を行っています。特に環境にやさしい作業学習をめざし、保護者や地域の人々の協力を得ながら無農薬・有機肥料による野菜栽培をしています。また、アルミ缶の収集・整理作業をとおして地域の環(缶)境問題にも貢献しています。
今年は、学校創立二十周年にあたります。これを契機に、学校が推進する障害児教育についてのノウハウや人的な資源を地域の障害児の教育・養育・福祉に役立てる地域貢献
高等部作業学習