教育福島0206号(1997年(H09)10月)-042page
県文化功労賞、教育・文化関係表彰者決まる
安齋リウ氏に文化功労賞
平成九年度の県文化功労賞受賞者に芸術部門(邦楽領域)の安齋リウ氏が決まりました。
県教育委員会は、九月十七日(水)の定例教育委員会の席で本年度の県文化功労者及び教育・文化関係表彰者を決定しました。これを受けて同日の十六時十五分から杉原陸夫教育長が記者会見を行い、文化功労賞受賞者一名、教育・文化関係功労者三十名、教育・文化功績顕著な十四団体・施設及び永年勤続表彰者三百九十一名を決定しました。
本県の教育・文化の振興発展に貢献し、その功績が顕著であるとして表彰を受ける方々は別掲のとおりです。なお、表彰式は来る十一月三日(月)の文化の日に県文化センターにおいて挙行されます。
文化功労賞受賞者
福島県の文化の向上に著しい業績を残された個人に授与される福島県文化功労賞の受賞者として、安齋リウ氏(八十五歳・福島市)が選ばれました。氏の略歴と業績は下記に記したとおりですが、女性の受賞は平成二年以来七年ぶりで七人目、一人だけの受賞は昭和五十四年以来十八年ぶりとなります。
芸術部門(邦楽)
安齋リウさん(芸名 蕃建柳子(しげたてりゅうこ))
本籍地 福島県福島市中町二五番地
現住所 福島県福島市御倉町一番七二号
電話 〇二四五(二二)一五八六
生年月日 明治四十五年五月七日
年齢 八十五歳
職業 琴三弦教授
昭和四十三年度
教育功労者表彰 (福島市教委)
昭和五十九年度
文化振興基金表彰 (福島県教委)
平成二年度
芸術文化功労者知事表彰 (福島県知事)
【主な功績】
1 長年にわたり、琴・三弦、尺八等の伝統邦楽の継承と発展に尽力し、本県の数多い各流派の共同活動の必要性から邦楽界の連盟設立に奔走し、昭和四十年九月三日福島県三曲連盟を設立し、爾来二十一年間事務局長として基礎づくりを担い、昭和六十二年からは会長として、さらに平成八年からは現在に至るまで顧問として活動を続けて、古典芸術の継承発展に尽力し、本県の芸術文化の向上に尽くした。
2 奏者として数多くの子弟教育に当たりながら、三曲連盟の運営を通じ、あるいは地域での演奏会、県文化センターとの共催のほか、県芸術祭における三曲演奏などをとおし、本県の古典音楽の発展に大きな影響を与えた。
3 昭和八年に故宮城道雄師に入門し、昭和十六年に至るまで師匠の代稽古を務め、日本放送協会などでの演奏活動に従事し、昭和二十五年以降、県内外で活発な演奏活動を行った。昭和二十六年宮城会東北支部を設立し、同支部長、宮城道雄直門大師範としての実力を有し、全国的にも芸術文化の向上に貢献した功績は多大である。
4 この間、昭和四十八年から平成二年までの長きにわたって県立盲学校において、邦楽指導を行い、眼の不自由な子供達に夢と希望を与え続けるなど献身的な奉仕活動を行った。