教育福島0208号(1998年(H10)01月)-006page
年頭のあいさつ
21世紀の新しい生活圏
美しいふくしま の創造を目指して
福島県知事
佐藤栄佐久
新しい年の初めに当たり、県民の皆様の御多幸を心からお祈り申し上げます。
昨年は、本県におきましては、「福島県民の日」を制定し記念事業を開催したほか、磐越自動車道の全線開通、日中航空当局間協議における福島空港の国際化への前進、会津大学大学院修士課程の開設、「シンクタンクふくしま」の開所、「Jヴィレッジ」のオープンなど、二十一世紀に向けた基盤整備が着実に進展いたしました。これもひとえに、県民の皆様の県政に対する御支援、御協力の賜と深く感謝申し上げます。
また、公費支出問題につきましては、昨年四月に、県自ら公費支出調査検討委員会を設置して徹底的に実態を調査し、民間有識者の検証を経て、十二月県議会で、その調査結果を皆様にお示ししたところであります。県民の皆様から県政をお預かりしている私といたしましては、皆様の県に対する信頼を損ねるような事態となりましたことを厳粛に受け止め、職員と一丸となって、信頼の回復に全力を傾けてまいる決意であります。
さて、我が国の社会・経済情勢が大きな変革期を迎えている中で、県といたしましては、時代潮流の変化に迅速かつ的確に対応しながら、「二十一世紀の新しい生活圏−美しいふくしま−の創造」を目指して、各種施策、事業等を積極的かつ着実に推進してまいる考えであります。
特に、本年は、四月に、「キュア(治療)からケア(介護)へ」という時代の流れを捉え、県立医科大学に看護学部を開設いたします。夏には、県民の森にアウトドアライフのメッカとなるオートキャンプ場が、十月には「産業交流館(ビッグパレットふくしま)」が、それぞれオープンする予定であります。
さらに、実行段階に移行してきた地方分権と、近く調査対象地域が設定される首都機能移転の問題にも積極的に取り組むのをはじめ、平成十三年開催の「うつくしま未来博」に向けた取組みを進めてまいります。
また、新年度から関係十一省庁が連携して行う中心市街地の空洞化対策に呼応した各種施策を推進するとともに、国の「新たな米政策大綱」を踏まえた本県の稲作生産構造の確立、研究が進む水稲やりんどうの花の新品種開発など、新たな視点で活力ある農林水産業を展開してまいります。
私は、県政の執行に際しましては、引き続き、簡素で効率的な行財政運営に努めながら、新たな本県の飛躍のため全力を尽くしてまいりますので、今後とも、一層の御支援をお願い申し上げます。