教育福島0210号(1998年(H10)04月)-022page
教育ひとロメモ
わかりやすい教育法令 解説1)
「通勤緩和休暇」「保健指導又は健康診査を受けるための休暇」について
一 はじめに
市町村公立小・中・養護学校管理規則準則の一部が改正され、平成十年四月一日より、『通勤緩和休暇』や『保健指導又は健康診査を受けるための休暇』等が新設されました。
これらの新しい休暇は、妊娠中の女性に対して規定している労働基準法第六十五条を受けて設けられたものです。
二 通勤緩和休暇について
(1) 概要
この休暇は、妊娠中の女性職員の健康の確保を図るために、正規の勤務時間の始め又は終わりの一定の時間について職務に専念する義務を免除するものです。したがって、妊娠中の女性職員が、朝夕の通勤ラッシュを避けて、精神的にも安定した状態で出勤したり退勤したりすることができるようにするために設けられたものです。
(2) 承認を受けられる時間
〇 勤務時間の「始め又は終わりに」とることができます。(途中はとれません)
〇 一日につき、一時間をこえない範囲です。
〇 一日につき一時間をこえなければ、始業時と終業時の両方を合わせて承認を受けることもできます。
(3) 承認の受け方
〇 所定の用紙(第五号様式の二)に、休暇を取得しようとする理由や出産予定日、承認を受ける期間等を記入し、校長に願い出るようにします。
○ 請求の期間は、前もって願いに記入しますが、変更が生じる場合もあると思います。その時は、速やかに変更の請求をするようにします。
(4) その他
○ 通勤緩和休暇の承認を取り消す場合は、その都度校長に申し出て、承認を受けるようにします。
三 保健指導又は健康診査を受けるための休暇について
(1) 概要
この休暇は、妊産婦である職員が、母子保健法に規定されている「保健指導」や「健康診査」を受ける場合に認められるものです。
(2) 回数について
○ 妊娠満二十三週まで 四週間に一回
○ 妊娠満二十四週〜三十五週 二週間に一回
○ 妊娠満三十六週〜出産 一週間に一回
○ 出産後一年まで 一回
(3) その他
〇 一日の正規の勤務時間の範囲内で、必要と認められる時間が付与されます。
○ 医師等の特別の指示があった場合には、いずれの期間についても医師等から指示された回数が付与されます。
○ 「一回」とは、健康診査とその結果に基づく保健指導を合わせたものをいいます。よって、健康診査と保健指導が別の日の場合は、それぞれ「必要な時間」だけ認められます。
四 おわりに
女性職員の保護によって生ずる校務の負担は、教職員全員で心を合わせて協力し合い、カバーする必要があります。そのためには、女性職員の保護の意義や目的に対する理解の促進を各学校で図っておくことが大切です。そのような校内の協力体制が、ひいては児童・生徒一人一人に対する温かなまなざしにつながることも忘れてはならないと思います。