教育福島0210号(1998年(H10)04月)-048page
養護教諭の支援態勢をさらに充実
−学校教育指導委員(学校保健担当)を新設−
スポーツ健康課
児童生徒の心身の健康問題は深刻化しており、それに直接対応している養護教諭に対し、養護教諭の専門性や保健室の機能を生かした健康相談活動、保健の学習指導、校内外の関係機関との連絡調整など、新たな役割が求められております。
しかしながら、現職の養護教諭が校内外で研修することは容易なことではなく、学校の実態も多様な状況の中、新たな役割に対応していく場合、多くの困難が考えられます。
こうしたことから、平成十年度の新規事業として、学校教育指導委員(学校保健担当)活動を計画し、現場の養護教諭の支援体制を整備していくことにいたしました。
具体的には、県立学校に六名、市町村立学校に七名(教育事務所毎一名)の学校教育指導委員を配置し、学校訪問及び各種研修会・自主的研究団体の研究活動において指導助言を行い、養護教諭の新たな役割を生かした学校保健活動を実践していくことができるよう、現場の養護教諭をサポートしていきたいと考えておりますので、積極的に活用していただきたいと思います。
チャイム
原子力のない国NZ
エレン・バージェス
私の国のニュージーランドは、豊かな自然が有名です。NZ人はこれをとても自慢し、国の美しい環境を一生懸命守っています。リサイクルはもちろん、環境保全活動も盛んです。
NZの政策の一つに原子力の禁止があります。ですから、核兵器や核関連物質を積載した船舶は近海に入ることが出来ません。また、電気は原子力ではなく、自然に優しい水力で作っています。しかし、雨が長い間降らないと、電気の使用を制限しなければならない場合もごく稀ですがあります。数年前NZ最大の都市オークランドでも、この制限がありましたので、今NZでは水力に続く発電方法を探しています。その中でも、環境に優しい風力発電に期待が高まっています。
最近、オークランド市の停電のニュースを聞いたことがある人もいると思いますが、これは電気を作る方法と関係ありません。しかし、環境が原因の一つだったようです。エルニーニョの影響で、NZの気温は例年よりかなり上がり、電気ケーブルが暑さで壊れたのだそうです。
便利な現代では自然のありがた味を忘れがちです。福島の皆さんはNZ人と同じ様な美しい自然の中に暮らす、とても幸運な人たちですから、自然を楽しんで、そして守り続けて下さい。
(国際課国際交流員)
ストップ・ザ・食中毒!
近年、学校給食の場で多発が憂慮されている腸管出血性大腸菌O157やサルモネラ菌による食中毒は、非常に少ない菌数(十個〜百個)で発症します。
サルモネラ菌は、鶏卵を起因とした発生がほとんどですが、O157についてはまだまだ原因食品の解明がなされていない状況にあります。
また、O157に対する抵抗力(免疫)は、年齢により次のような開きがあります。
1〜4歳 3%
5〜9歳 18%
10〜19歳 48%
20〜69歳 80%
70歳以上 67%
このように、乳幼児や学校給食を食べる児童生徒の年代で抵抗力が低いという特徴があります。これからの季節は、気温の上昇とともにこれらの菌の分裂・増殖が一層活発になりますので、心して衛生管理に努めていきたいものです。