教育福島0210号(1998年(H10)04月)-049page

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美術館だより

企画展反骨の日本画

家勝田蕉琴(しょうきん)展

6月13日(土)〜7月20日(月)

勝田蕉琴(1879〜1963年)は、東白川郡棚倉町に生まれ、主に文展、帝展など戦前の官展を舞台に活躍した日本画家です。

はじめ、会津の野出蕉雨(のでしょうう)に手ほどきを受けた蕉琴は、上京後橋本雅邦(はしもとがほう)に師事、さらに東京美術学校で幅広い画技を身につけています。卒業後は、詩人タゴールの招きでインドに渡り、そこの美術学校で教鞭をとりました。帰国後は第1回文展入選を皮切りに、文展、帝展などの官展に出品、帝展審査員をつとめるなど、東京画壇の重鎮として幅広い活躍をみせます。また県内画壇の育成にも力を注ぎ、福島県出身の日本画家を結集した福陽(ふくよう)美術会を発足させ、後進の指導にも尽力しました。彼は、1935(昭和10)年の帝展改組にみられる画壇の抗争に異議を唱えるなど、反骨の画人として画道一筋の生涯を送りました。

蕉琴は狩野派の筆法と西洋画的写実を踏まえながら、そこに近代的な感覚を盛り込んだ気品あふれる花鳥画を数多く描いています。本展は、勝田蕉琴の画業を、初期から晩年にいたる本画・下絵等約200点によって振り返る初の本格的な回顧展です。

「巣籠」■1942年東京国立近代美術館

「巣籠」■1942年東京国立近代美術館

「喬松蒼席」■1928年福島県立美術館蔵

「喬松蒼席」■1928年福島県立美術館蔵

「煙る小雨」■1922年福島県立美術館蔵

「煙る小雨」■1922年福島県立美術館蔵

「出城釈迦」■1907年福島県立美術館蔵

「出城釈迦」■1907年福島県立美術館蔵


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