教育福島0211号(1998年(H10)06月)-008page

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特集1

 

学校教育の推進

生徒指導の充実

義務教育課

 

一 生徒指導とは

 

1 すべての児童生徒に

生徒指導の意義は、積極的にすべての児童生徒の人格のよりよき発達を目指すところにある。

したがって、生徒指導は、「一人一人の生徒の個性の伸長を図りながら、同時に社会的な資質や能力・態度を育成し、さらに将来において自己実現ができるような資質・態度を形成していくための指導・援助であり個々の生徒の自己指導能力の育成」をねらいとする。

【注】「自己指導能力」とは、次のような資質や態度を指す。

(文部省発行「生徒指導資料第20集」より)

○ 自己をありのまま認め、自己に対する洞察を深めること。

○ 自らの追求しつつある目標を確立し、明確化していくこと。

○ 目標達成のために、自発的、自立的に自らの行動を決断し、実行すること。

 

2 すべての学校教育活動で

このように、すべての児童生徒に自己指導能力を育成するためには、生徒指導の機能を、教育課程の特定の領域や内容に偏ることなく、学校の教育活動のすべてにわたって十分作用させることが必要である。

「すべての児童生徒を対象に」、「すべての教育活動において」を念頭において、現在の自校の教育活動が次の生徒指導の機能を生かしたものになっているか、改めて問い直してみたい。

 

1) 児童生徒に自己存在感を与えているか。

2) 共感的人間関係を醸成しているか。

3) 自己選択や自己決定の場を保障するとともに、自己の可能性の開発を援助しているか。

 

3 積極的な生徒指導を

生徒指導はともすると、児童生徒の非行対策や問題行動への対応など消極的な面に追われがちである。もちろん、緊急に対応すべきことも重要だが、一方で、生徒指導は、すべての児童生徒一人一人の自己実現を援助し、自己存在感を与えるようになることを目指していることを忘れてはならない。

生徒指導は、より積極的な活動としてとらえ、日々の学校教育を充実していけば、結果として非行対策や問題行動への対応に追われることが少なくなる効果も期待できよう。

 

二 実践に結びつく計画と体制

 

1 指導計画を使えるものに

学校におけるすべての教育活動において、意図的、計画的に指導できるようにするためには、生徒指導の全体構想と、それを具体化した年間指導計画の作成が求められる。

しかし、一方では、学校には数多くの指導計画が作成されているにもかかわらず、学校教育活動の中で機能的に働いていないものがないかどうか検討する必要がある。

もう一度、次の点からよりコンパクトに整理し、「使える指導計画」を目指したい。

○ 自校の生徒指導上の課題と教師の基本的な指導態度の明確化

○ 生徒指導に当たる場と機会や組織・役割と運営方法の明確化

○ 家庭、地域社会、関係機関や

 

 

 


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