教育福島0211号(1998年(H10)06月)-009page

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諸団体等との連携についての基本的な考えや連携方法の明確化

 

2 機能する指導体制に

最近、前兆をとらえにくい問題行動やこれまでの通念では測りきれない対応が指摘され、今まで以上に、次のような点から、日頃の指導体制の整備・充実が求められている。

1) 児童生徒の行動の変化等からその実態や要因等を的確に判断するため、個々の教職員が入手した情報を生徒指導主事等に連絡し、一元的に把握すること。

2) 児童生徒の状況について、校長等で構成する会議で情報交換し、総合的に分析すること。

3) 全教職員間で情報を共有し、学校全体で足並みを揃えた指導をすること。

4) 小・中・高等学校間を通じて一貫した指導をすること。(それぞれの対応、把握した行動・性格等の情報交換)

 

3 緊急対応体制の確立を

万が一、児童生徒の問題行動が起きた場合に備え、各学校では、次の点からその対応体制の確立が望まれる。

○ あらかじめ、校長、教頭、生徒指導主事をはじめとする対応体制を策定して、学校としてどのような機能、役割が必要になるかを明確にする。

○ 保健主事、養護教諭を全体の体制の中に明確に位置づけ、全教職員が一致協力できる体制を整備し、内容・方法等について全教職員間で共通理解を図って問題行動に備える。

また、学校が児童生徒に適切に対応するためには、関係機関との積極的な連携を図ることも必要となってくることから、対応体制の整備に際し、関係機関との連携の窓口を生徒指導主事に一元化するなど、その連絡調整の任に当たる者を明確化し、対外的にも周知させておくことが必要である。

 

三 学校と家庭・地域社会との連携

 

1 問われる連携の在り方

学校が閉鎖的になりがちなことや、家庭・地域社会の教育力が低下していると指摘されて久しい。言うまでもなく、児童生徒の生活は学校・家庭・地域社会という環境の中で様々な影響を受けている。特に、価値観の多様化が叫ばれる今、改めて、児童生徒の自己指導能力を育てるために、これら三者の在り方とその連携の必要性が問われている。

連携と言うと、ややもすると、学校側からの一方的な連絡やお知らせで終わりがちである。しかし、一方的に守ることを呼びかける指導では、教育の本質から離れ、力で押さえつけようとして反発を呼ぶことも考えられる。家庭や地域社会の考えや要望についても謙虚に耳を傾け、三者が一体となって児童生徒の育成にかかわっていく姿勢が大切である。

 

2 例えば、「学校の規律の形成過程」での連携の場合

保護者や児童生徒の価値観が多様化し、個別化が重視されている現在、学校のきまりを無視し、規律を乱しがちなことが多い。

このような時、次のような連携を考えたい。

1) まず、学校経営のビジョンや教育方針などを教職員はもちろんのこと、内容によっては児童生徒や保護者にも分かりやすく伝え、理解を得るようにしたい。

また、心身の発達過程にある児童生徒が集団生活を行うために規律が必要であることや意義についても伝える必要がある。

これらは、何のための規範や規律なのか見えるようにし、内面的な自覚を促すためである。

2) 規律形成過程での児童生徒の参加と合意を通した自発的実施と自発的遵守による教育効果を期待したい。

この際、すべて児童生徒に委ねることではないが、一方、「どうせ、先生が都合よく取り締まるためのものだ」という意識をもたれるような児童生徒の疑似参加にならないよう留意したい。

3) 内容によっては、保護者や地域の方々の参加を工夫したい。しつけや規律などの面で、家庭・地域社会の理解や協力が不可欠だからである。

4) 一旦作られた規律も、時代とともに、硬直化したり、児童生徒や保護者の意識の変化に対応できにくくなってくるものも考えられる。

学年や学期初めの各種総会や関係諸行事においてそのねらい

 

 

 


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