教育福島0211号(1998年(H10)06月)-016page

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特集3

 

学校給食の衛生管理の実際

スポーツ健康課

 

平成八年に全国的に発生した腸管出血性大腸菌O157による食中毒は、学校現場はもとより社会全体に深刻な影響を与えました。

文部省においては、「学校給食衛生管理の基準」(平成九年四月一日)を制定し、学校給食の衛生管理の徹底を図っているところです。

また、県教育委員会においては「学校給食における衛生管理の手引」を作成し、各市町村教育委員会でも、学校給食関係者一人一人が日々の学校給食において適切な配慮と措置を講じ、食中毒防止に努めているところです。

今回は、その中から、会津高田町学校給食センターといわき市教育委員会保健体育課の取り組みをご紹介いたします。

 

会津高田町学校給食センター

 

はじめに

学校給食における衛生管理は、児童生徒の健康を守る上で、安全な給食を提供するためにもっとも重要なものであります。

その中で、児童生徒に食事の大切さ、おいしさ、栄養バランスや季節感が伝わるような学校給食にしていきたいものです。

平成八年の腸管出血性大腸菌O157の発生、又サルモネラ菌等による多くの食中毒の発生により、給食担当者はもちろん、児童生徒、保護者の方々の食中毒に関する意識は今までより一層強いものになりました。

我々給食に携わる者としても、学校給食の中での衛生管理を再認識し、給食による食中毒の防止に努めなければならないものと考えます。

会津高田町学校給食センターでは、基本的なことではありますが、次のような衛生管理を行っております。

一 衛生管理の段階的管理

ア 施設全体の衛生管理

・ 調理場棟と排水等処理施設棟の配置は別棟にし、細菌の移動を防止する。

・ 施設近辺に汚水等があれば、ハエ等により汚染される恐れがあるので除去後消毒を行い処理する。

イ 食材料の搬入時の衛生管理

・ 食材搬入の外部出入口は、エアーカーテン等により害虫やほこり等を室内に入れない。

・ 食材搬入室には業者は立入りすることなく、ダンボール等は取除き、担当者による品質検査と検収記録により材料の保存食保管を行う。

・ ダンボール等は雑菌が多く付着しているので室内に入れることなく別棟の倉庫で保管する。

ウ 下処理室での衛生管理

・ 下処理室内の換気を十分にし、温度、湿度の上昇を防ぐ。

・ 下処理に使用する水槽、包丁、まな板等の器具類は下処理専用として調理用とは別にする。

特に、包丁、まな板等は専用の消毒保管庫にて管理する。

又、カゴ等の器具についても、良く洗浄の上、消毒保管庫により管理し、床に放置することのないようにする。

・ 下処理室と調理室(汚染区域と非汚染区域)の出入口については、ドア等に手を触れないためにも自動ドア化し、調理室等に入る時は消毒用マット等でくつを消毒し入る。

・ 下処理後調理室に入る場合は、くつはもちろん着替をし、手やくつの消毒をした上で入室する。

・ 下処理後は処理室内を速やかに洗浄消毒し、特に排水溝内を十分に行い、害虫等による汚染を防止する。

・ 手洗いは作業区分毎に行い、手洗いは自動手洗機により汚染

 

 

 


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