教育福島0211号(1998年(H10)06月)-018page

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に留意すべきと考えており、処理場が常に正常に作動しなければ、ハエ等の発生による食中毒の要因となる恐れがあるので毎日の点検と確認が必要である。

五 包装用ダンボール、古油の処理

ダンボール、古油は外に放置することなく、倉庫等で保管し、火災等の発生を防ぐことや衛生管理上から必要である。

六 給食受配校の衛生管理

受配校の衛生管理は、各学期毎の受配施設の点検が必要であり、特に、牛乳保管庫、配送給食の保管状態を点検し、指導をする。

又、給食だより等により衛生に対する知識向上に努めている。

 

おわりに

衛生管理と施設の改善は今後重要な課題と思いますが、食中毒の恐ろしさと児童生徒の健康を守るため、安全な給食作りに努めて参ったものです。

今後は調理員はもとより、給食を食べる児童生徒の衛生管理の知識向上を図りながら、「食中毒は出さない」と言いきれるような衛生管理と改善に努めて参りたいと考えております。

 

いわき市教育委員会保健体育課

 

いわき市には八学校給食共同調理場があり、小学校七十二校、二五、〇三〇食、中学校四十校、一四、六五二食を調理しており他に学校給食単独実施校が小中学校合わせて八校、七九二食を調理しております。

平成八年にO157による食中毒が発生して以来、衛生管理の面で、従来より木目の細かい指導を実施してきたところですが、各学校給食共同調理場の建築年数、規模、設備整備状況が違うので一律に対応ができない状態にあります。

各市町村においても、大変苦慮されているところとは思いますがそうは言っても、子供たちへ安全な給食を提供することが第一の使命でありますから、「学校給食衛生管理の基準」に沿った方向で所長、栄養士、調理員が一体となって衛生管理の徹底を図っているところであります。

さて、衛生管理の徹底といっても、やはり設備の面での改善が急務であることは当然ですが、それと同時に学校給食に携わる全ての人の意識改革も重要なポイントであります。

実際に調理する人はもちろん、学校給食用物資納入業者や配送業務者(いわき市では民間委託)、そして子供たちへも衛生管理の徹底を啓発し、実践していただかねばなりません。

各学校へは、ポスターの配付、「学校給食衛生管理の基準」の送付等、また、小学校低学年による学校給食共同調理場の訪問の際、手洗いの励行等衛生についての指導を行っております。

では、実際にはどのように衛生管理を実践しているのか、ある学校給食共同調理場を例に一部、紹介させていただきます。

学校給食共同調理場の朝は、各納入業者による納品が殺到する時間でもあり、納品された物品を検収し、なおかつ、保存食を採取するという業務に携わっている栄養士も大変忙しい状況にありますが、その中にあっても、各納入業者の方には、次のようなことの徹底をお願いしております。

・納品の際は、清潔な服装で入場すること。

・調理場に入る際には調理場で用意した白長靴に履きかえて消毒槽で洗浄してから納品すること。

白長靴も二、三足だけ用意し、納入業者の方には順番に入るよう依頼しているので、かえって混乱は緩和されるかもしれません。

朝の業務の中には、調理業務が始まる前に実施しなければならないものもあります。

始業時五分前の流水と、遊離残留塩素の確認です。ここの調理場には、貯水槽(高架槽を含む)が設置されているため、使用頻度の少ない翌日とか休日あけとかいう日には、遊離残留塩素の数値が低くなるので、十分な量を流水しています。

また、納入物品、特にダンボールについては、消毒スプレーを吹き掛け、物品はダンボールでは保存しないことになっています。

(入れ替えは大変ですが徹底しています。)

調理場内での汚染地区と非汚染地区との境界を明確にし、(ラインを引いた)汚染地区から非汚染地区へ行く場合には、必ず長靴を消毒槽で洗浄してから行きます。

 

 

 


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