教育福島0211号(1998年(H10)06月)-019page

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配送業者についても、プラットホームに上がる時には、階段の所に設置されている消毒槽で洗浄してから行くように指導し、実施させています。

これからは、「学校給食衛生管理の基準」を参考にし、保健所からの指導等によるものを、一つ一つ丁寧に積み上げていくことが重要なことであります。

その他、様々な改善されるべき事項があると思いますが、その確認や徹底を図るために打合せ等を開き、確認していく方法もあると思います。

この学校給食共同調理場では、毎月献立打合せを二回実施していますが、(所長を始め栄養士、調理員全員が出席)その際、「学校給食衛生管理マニュアル」(平成六年四月 いわき市教育委員会作成)や、指導の内容を一項目ぐらいずつ話をしたり、時には、その場その場で手指の爪を各自点検し衛生観念を徹底させるようにしています。

また、その時に指示した内容については、必要に応じて文書にし全員に渡す等の配慮もしています。

口頭での注意や確認だけでは忘れてしまったり、聞きのがしてしまうこともあり、そういうことを防ぐためにも、文書化し、常に手元におくことにより、再確認できるのではないかと思います。

時には、現場での確認も行われます。実際、果物の洗浄方法等については、シンクが配置された状態での再確認を行い、調理員との協議の中で決めていきました。

果物を最初に洗浄するシンクはどれにするか、洗浄・すすぎの回数は何回にするかなど細部に渡り話し合い、最後に誰でもわかるようにシンクに番号を貼付し、作業に取りかかるようにしています。

実際に調理している現場職員の意向を聞きながら衛生管理を進めていけば、様々な建設的な意見も出て来ると思います。

現場から調理場内にもっと手洗器を増設したいという要望がでたときも、現場の職員が自ら設置してくれましたし、また衛生面を考慮して温水を確保するため、配管の整備等も実施してくれました。

また、冷蔵庫の温度確認についても、現場内に月毎の一覧表を作ってその日の温度を記入してもらっています。

そのことにより、誰でもその表を見れば冷蔵庫の温度管理ができることになります。

最後に、設備の改善の件ですが、これはなかなか難しい問題だと思います。

この施設は、昭和五十七年に建築されており、八学校給食共同調理場の中でも、新しい方になりますが、かなりの改善が必要とされています。

備品も老朽化が進み、またO157等対策のため、関係機関より指導を受けても、経費の面でもなかなか追いつかないのが、現状です。

他の学校給食共同調理場でも同様でしょう。

いずれにしても、保健体育課と八学校給食共同調理場が一体となって、情報交換を行い協力しあっていかなければならないと思います。

各調理場所長が一同に会する所長会議は、年五〜六回ありますが、その際にも貴重な意見等提示していただいております。

又、学校給食共同調理場及び学校給食単独実施校に配置されている全栄養士が出席する学校栄養士会議も月最低一回は実施されます。

その際にも、他の議題も当然ありますが、各学校給食共同調理場の実状をもとに意見交換を行っています。

特に、昨年十一月には、各学校給食共同調理場栄養士の代表が、ある調理場に集合し、所長を始め調理員の職員の協力を得ながら、いわき市学校給食栄養士部会主催による「研究授業方式による衛生管理研究会」が実施されました。

午前中は、実際に調理場に入り調理業務を点検したり、作業動線を確認したりしました。調理業務のまっただ中でのことでしたのでなかなか大変でしたが、貴重な場となりました。

午後には、午前中の点検内容等をもとにして、意見交換を行いました。

例年、保健体育課としては、学校給食共同調理場関係者約220名を集めて、夏に研修会を実施していますが、今年も衛生管理を中心に開催することになっております。

今後とも、衛生管理についてはあらゆる機会をとらえ、反復して啓発していきたいと考えております。

 

 

 


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