教育福島0212号(1998年(H10)07月)-016page
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多くの高校では両制度を併用していますが、実際の運用面では、単位制の長所は生かされず、学年制に偏ったものになっています。例えば、学年の枠を超えて科目を履修したり、生徒が自由に科目を選択する余地は少なくなっています。
単位制の大きなメリットは、生徒の興味・関心、能力・適性、進路希望等に応じて弾力的な教育課程を編成し、学習歴や生活環境など、生徒の多様な実態に応じた教育ができることですが、単位制課程の主な特徴を挙げると次のようになります。
(1) 学年による教育課程の区分を設けない課程(原級留置なし)
(2) 科目ごとの単位修得認定(八十単位以上の修得単位数で卒業認定)
(3) 弾力的かつ多様な教育課程の編成(多様な選択科目開設、自分自身の時間割)
(4) 学期ごとの入学及び卒業が可能(二期制を採用し、学期ごとに単位認定)
(5) 過去の修得単位を卒業単位に加算するなどの柔軟な単位認定
三 単位制高校の設置状況
高校教育改革の一環として、昭和六十三年度から定時制課程及び通信制課程において制度化され、全日制課程では平成五年から設置が可能になった単位制高校は、生徒の多様な学習ニーズに対応できる、二十一世紀を展望した新しいタイプの高校として期待されています。全国における単位制高校の設置校数は次のとおりです。
年度 課程 全日制 定時制・通信制
平成6年 9(2) 48
平成7年 28(7) 61
平成8年 57(16) 77
平成9年 89(21) 87
平成10年 132(34) 109
※全日制課程の( )内は総合学科高校を除く。
本県においても平成三年度に初めて安積第二高校(現あさか開成高校)の定時制課程に単位制を導入し、平成五年度には全国初の全日制単位制高校であるいわき光洋高校を開校するなど、これまでに総合学科高校を含めて六校の単位制高校を設置してきました。
設置状況
平成三年…安積第二《定》
(→あさか開成)
平成五年…いわき光洋《全》
同右《定》
平成八年…あさか開成《全》
光南【総】
平成九年…安達東【総】
双葉翔陽【総】
平成十年…小野【総】
《全》全日制課程
《定》定時制課程
【総】総合学科(全日制課程)
四 再開発ビルの概要
このビルは、約三ヘクタールを事業区域とする「郡山駅西口第一種市街地再開発事業」の中核施設として建築されるものであり、事業施行者である郡山市では「利便性と都市的魅力を備え、市の表玄関にふさわしい、市民の誇りとなりうる象徴的な建物を計画している。」としています。
商業施設、事務所施設、公共公益施設及び駐車場施設の四用途からなる複合ビルであり、外観的には地上二十三階、地下一階、高さは約百十五メートルとなり、県内では最も高いビルとなります。
一階から五階までは商業施設、六・七階は市の行政施設、十五階から二十階までは事務所施設、二十一階から二十三階までは市の学習施設が設置される予定であり、先に述べた新定時制通信制高校は八階から十四階までの七フロアに設置することになりますが、「第一種市街地再開発事業」により市が施工主となる複合ビルに高等学校が入居するのは全国で初めてのことになります。
なお、ビルの外観は次のページのとおりです。
おわりに
以上が県中地区における新定時制通信制高校の構想ですが、今後は、教育課程をはじめとする具体的な教育内容や入学者選抜方法、更には施設設備や校舎の管理システムなど、新しい学校の在り方を検討しながら、平成十三年度の開校に向けて準備を進めていきます。
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