教育福島0213号(1998年(H10)09月)-047page

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伝統の「本郷焼き」をとおして

会津本郷町立本郷中学校

 

会津本郷町は、十六の窯元があり、「炎と焼き物の町」として有名です。各窯元の方々のご協力で毎年「陶芸教室」が開かれます。

班に分かれて各窯元に出掛け、事前に考えたスケッチをもとに、ご指導をいただきながら粘土で作品を作ります。手びねりや板作りなどいろいろな技術を使いながら、よい作品を作り上げようと取り掛かります。細かいポイントなどを直接手ほどきしていただきながら仕上げへと移ります。窯元の方々のお話を聞きながら、すばらしい技を目にし、日ごろ分からない地元の伝統技術に触れます。完成した作品は、窯元の方々に乾燥・素焼き・本焼きをしていただき、すばらしい作品となって届きます。

また、本校には、陶芸部があり毎日活動しています。ろくろを使って本格的な作品を作ります。制作から本校の窯で焼き上げるまで丁寧に作業をします。作品は展示された後、陶芸教室の作品と一緒に八月の第一日曜日の「せと市」で生徒たちによって販売されます。部顧問と部員が早朝五時より路上に作品を並べ、直接作品の評価を聞きながら販売し、教室では味わえない体験を積みます。伝統に触れ、地元を理解できる「陶芸教室」は、地域の方々の協力のたまものであり、日ごろの見えない生徒のよさを発見し、勤労や奉仕を尊ぶ生徒の育成の一序となっています。生涯学習の視野に立った活動として今後も続けて行きたいと考えています。ぜひ、「せと市」へおいでください。

 

陶芸教室

 

陶芸教室

 

舞踊の創作に取り組んで

柳津町立久保田小学校

 

地区の伝統文化の形成を目指して創作した舞踊「高尾峯」を、全校児童九名が舞い終えた時、観客から感動の拍手が、小さな体育館に大きく、いつまでも続きました。

久保田小学校は、県下一の小さな山村へき地校ですが、地域住民の教育に対する意識には並々ならぬものがあります。

当校では、小人数学校の利点を追究してみようとの考えから、地域の伝承をもとに、舞踊を創作することになりました。先生方が、振り付け、衣装、小道具、音楽、照明などを分担し、早速作業に取りかかりました。舞踊についてはもちろん素人の先生方ばかりです。若いエネルギーとアイディアを出し合い、悪戦苦闘をしながらも発表会当日を迎えることができました。

児童たちも、自分の故郷、身近な山や神社、祖先を題材にしたこの創作舞踊に関心をもち、喜んで練習に参加した。

神がかり的に舞い踊る児童の姿からは、学校生活では見られない壮厳な雰囲気さえ感じられました。

地区の人々は、地域や祖先を大切にする児童たちに、たくましく生きてほしいとの願いを託しています。

久保田小学校では、これを機に、一年生から六年生まで一緒に取り組めるものを探し求め、今後とも特色ある学校づくりに踏み出して行こうとしてます。かがり火のもとに、奉納舞をする九月の村祭りを待ち望んでいます。

 

創作した舞を踊る全校児童

 

創作した舞を踊る全校児童

 

 

 


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