教育福島0214号(1998年(H10)07月)-034page

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県立学校だより

 

地域に開かれた農業高等学校

福島県立磐城農業高等学校

 

「いつもは、先生に教えていただいていますが、今日は私たちが教える側なので胸がドキドキし、この時だけはやけに緊張しました」これは本校の『先生は生徒』の学校開放講座の先生になった生徒の感想です。

はじめは不安そうでしたが、しだいに自信をつけ、明るく生き生きとしてきました。担当した教諭は、「日頃私たちは生徒たちに与える教育をしがちですが、今回の講座に係わった生徒たちは、自分たちで調べたり、材料を準備するなど、自ら学ぶ姿勢を身に付けていきました。生徒が生き生きと教えている姿は何よりも頼もしいものです。この生徒たちに出会えた事がとても幸せです」と話しています。

 

の皆様のお役に立ちたいという趣旨で、生徒が先生になる学校開放講座を開催。

 

本校では、施設設備はもとより可能な限りの技術や知識を生かし、保護者や地域の皆様のお役に立ちたいという趣旨で、生徒が先生になる学校開放講座を開催。

第一・第三の土曜日の午後を利用し、それぞれの科の特徴を生かして十一の講座を開講しています。例えば、食品流通科では手作りお菓子、園芸科では草花栽培、バイテク、緑地土木科では庭園の設計および管理、生活科学科ではベーグル作りなどです。

広報活動の遅れが心配されましたが、県内各所からの問い合わせもあり最初の講座からすでに定員がオーバーする盛況さでした。

生徒たちは、この講座の日に備えて資料を作り、前もって何度も練習して準備をしました。参加者は一様に「先生である生徒さんがてきぱきと分かりやすく教えてくださいました。日頃の授業の内容を十分理解しているからでしょう」「この講座に参加して、大変勉強になるとともに、自信もつきました」「学ぶことの大切さを知りました」と話しています。

本校の教育目標の一つに「生徒は有意義な高校生活を送ろう」があります。

 

自己表現することができ、教える立場になって表情も生き生きとしてきました。

 

農業高校の生徒は隠れた能力を持っています。この講座を通して生徒は日頃の学習成果を基盤に自分を全面に出して、いかんなく自己表現することができ、教える立場になって表情も生き生きとしてきました。

この活動は地域にとっても生徒にとっても有意義であったと評価しています。

 

 

 


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