教育福島0215号(1998年(H10)11月)-039page

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グラフ3 平成9年度保健室登校への対応状況

 

3 本県の保健室登校の調査結果

 

3 本県の保健室登校の調査結果

保健室登校の推移(表1)

保健室登校への対応(表2)

 

4 保健室登校への対応

保健室登校の児童生徒は、保健室で過ごすことが常であるため、養護教諭との関わりは密接なものとなります。そのため、養護教諭の事門性を生かしたカウンセリング能力が一層求められるようになってきました。養護教諭の新たな役割として、カウンセリング機能の充実が求められています。

保健体育審議会等各種答申では、養護教諭の新たな役割としての内容が、次のように示されています。

 

1) 養護教諭・保健室の特質を生かしたカウンセリング機能の充実

2) 養護教諭の専門性を最大限に生かした心身の健康課題解決への取り組み

3) 学校のニーズや体制に応じて、養護教諭の持つ専門的知識や技能を生かした保健の授業の担当

4) 保健主事に任命された養護教諭の企画力・実行力・調整能力を生かした学校保健の推進特に新たな役割としての「健康相談活動」については「近年の心の健康問題等の深刻化に伴い、学校における力ウンセリング機能の充実が求められており、特に養護教諭は、児童生徒の身体的不調の背景に心の健康問題等が関わっていること等のサインに気づく立場にあることから、養護教諭の健康相談活動が重要な役割を担ってきている。」としています。

 

養護教諭の新たな役割としての健康相談活動をふまえ保健室登校への対応を、大きく三つに分けてみました。

1) 養護教諭の職務の特質を生かした健康相談活動を行う。

児童生徒の様々な訴えを受容的に受け止め、常に心的な要因や背景を念頭において、心身の健康観察をしながらその問題の背景を分析し、解決のための支援を行います。

2) 保健室の機能を生かした、相談しやすい環境での健康相談活動を行う。

保健体育審議会では、保健室の新たな機能を次のように示しています。

 

心の健康問題等を抱える児童生徒に対して、プライバシーを保持しつつ健康相談活動ができる相談室を、保健室に整備することが重要である。

また、健康教育に関する資料や教材を集積し、健康情報センターとしての機能を担っていく観点から、例えば、保健室にパソコンを設置して、外部の関係機関から先進的な医学知識、健康問題の現状、適切な処置対応及び指導法などをタイムリーに収集し、活用できるようにすることも必要である。

 

児童生徒の心や体の著しい変化に伴い、健康相談活動を行う保健室への期待も高まっています。これからの保健室は、ここに示されているように、プライバシーの保持を考慮した相談活動や、現代的な健康課題解決のためのタイムリーな情報収集等が求められています。

3) 校内の関係職員及び保護者、校外の専門家や専門機関との連携を図る。

連携の内容を大別すると次の二つになります。

・学校内外の関係者や専門機関等と連絡を取り合い、それぞれの役割を確認し、相互に分担、協力しながら支援する方法(生徒への窓口が多人数となる)

・学校内外の関係者や専門機関等から連絡、助言を受けなが

 

表2 平成9年度保健室登校への対応状況

 

(%)

小学校 中学校 高等学校

1 学校全体の組織で対応 50 77 48

2 養護教諭と担任・学年で対応 35 16 26

3 主に養護教諭が対応 15 7 22

4 その他(専門機関を加えて) 0 0 4

 

 

 


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