教育福島0215号(1998年(H10)11月)-041page

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しています。

特に高校生の年代が薬物に汚染される危険性が高いことから生徒指導との関連を深めながら実施しています。

 

4 薬物乱用防止教育の現状

平成元年度に改正された現行の中学校及び高等学校学習指導要領では「喫煙・飲酒・薬物乱用と健康」「医薬品と健康」に関する内容が取り上げられ、中学校では平成三年度から高等学校では平成四年度から「薬物乱用防止」に関する指導・教育が本格的に始められ、また、小学校においても教科「体育」保健領域の「病気の予防」や「健康な生活」の指導に関連づけて、児童の発達段階に応じ、薬物乱用に関する指導を行うこととされています。

 

薬物乱用防止教育教科別実施状況

 

薬物乱用防止教育推進連絡協議会組織図

 

薬物乱用防止教育推進連絡協議会組織図

 

育全体で取り組む体制づくり並びに地域との連携の在り方等を工夫しています。

 

県内の各学校においては、教科を中心としながら実施しており、今後、指導内容の充実と学校教育全体で取り組む体制づくり並びに地域との連携の在り方等を工夫しています。

中・高等学校における「学校行事」での実施は、前述の「薬物乱用防止教室」との関連をもたせ、今後、各学校の実態に合った主体的な取り組みが望まれます。

 

5 県教育委員会の取り組み

(1)「福島県薬物乱用防止教育推進連絡協議会」(以下「協議会」という。)の設置

福島県教育委員会は文部省より学校における薬物乱用防止教育に関する支援体制の在り方についての調査研究を推進する「薬物乱用防止教育支援体制整備・活用モデル推進地域事業」の指定を受け、関係機関・団体との連携のもと、協議会を設置し各事業を展開することとしました。

協議会は楽物乱用防止教育の課題と対策に関すること、情報収集・指導者の資質の向上、教材の開発等児童生徒が健やかに成長できる支援体制を整えることとしています。

 

(2) 啓発・推進活動

平成十年度は、県内六市の各種研修会開催時に薬物乱用防止に関する専門家等を招へいし、薬物乱用の実態や背景についての講演を実施し、教職員の意識の高揚を図ることとしました。

 

(3) 教材開発・作成活動

学校教育においては、薬物乱用問題をその危険性のみに着目すると、児童生徒の薬物に対する関心をいたずらに刺激することのないよう配慮するとともに、慎重に対応する必要があります。

そのような観点から、一人一人の児童生徒の発育段階や長期的展望に立った系統性のある指導が不可欠であることから、健康教育を基盤とした教材を今後開発します。

最後に、児童生徒が薬物に汚されることのないよう、各学校では危機管理意識を高め適切に対処することが未然防止の第一であります。

 

おわりに

 

心の教育問題等に適切に対応するためには、二次予防(早期発見・早期治療)より一次予防(健康的な生活行動の実践)を重視することが大切です。そのためには、組織体としての学校が教職員一丸となり健康教育の一層の充実を図っていくことが求められています。

 

 

 


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