教育福島0216号(1999年(H11)01月)-033page

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《実践五》(国語科 第六学年)

「教材文を印刷した学習ノートを用いたノート作りの工夫」

1 単元名 生きる姿を

『石うすの歌』(省略)

 

《実践六》(算数科 第六学年)

「OHPによる事象提示とまとめの段階での工夫」

1 単元名 立体

2 単元目標・指導計画(省略)

3 不時の課題

「立体は、二つの観点(真正面と真上から見た形)によって決まることが分かる」

4 昨年度の指導記録からの反省

これまでの授業では、立体の模型を提示し、どのような形に見えるかという問いかけによって課題をとらえさせていた。しかし、このような提示では、児童たちが自分たちで調べてみようという学習意欲を高めるのには十分ではなかった。また、立体の模型を真正面や真上から見るという活動の必然性のないままに活動に移ってしまった。また、まとめの段階では既習の立体について表にまとめるという活動を行ってきた。しかし、これだけでは、児童たちに各立体の特徴を知識として十分に定着させるにはいたらなかった。

5 改善を図った学習活動の実際

《改善の具体的な手だて》

〇 立体の形が分からないように覆い、OHPで一方向だけの立体の影を投影した。(資料3)

〇 まとめの段階で、自作教材を利用して、真正面と真上から見た形によって立体の名前を当てるゲームを取り入れた。

《改善の成果》

1) OHPによる提示では立体の判別がつかないため、児童に様々な方向から立体を見る必然性を感じさせることができ、不時の課題が無理なく把握できた。

2) ゲーム性を取り入れることで、真正面と真上から見た形の組み合わせには様々なものがあることや、この二つの観点さえあれば全ての立体が判別できることを楽しく学ぶことができた。

3) OHPの活用で授業の効率化が図られ、まとめの時間を十分間確保することができた。その結果、学習内容の定着がどの子にも図られ、分かったという達成感を感じることができていた。

 

資料3 どんな形の影かな

 

資料3 どんな形の影かな

 

六 研究の成果と今後の課題

1 研究の成果

(1) 全学年で学力の向上が見られた。特に、下位及び中位児童の成績の向上が認められた。

(2) 児童自身が自分の考えをもつことの大切さに気づき、自分の考えを堂々と発表できるようになってきている。

(3) 練り上げの充実によって、児童たちの学習に参加しているという実感が強まり、学習態度が主体的になった。また、互いのよさを共感的に認め合う雰囲気が高まり、一緒に学ぶことのすばらしさを実感できた。

(4) 先行型授業研究により、教師一人一人の指導力の向上とともに、学年全体を教師集団で指導するという姿を作り出し、授業の質の向上が一層図られた。

(5) 授業実践ファイルの充実、年間指導計画の自校化の推進は、本校「基礎学力向上改善・開発 (I・D)プラン」となって、日々の授業に生かされている。

2 今後の課題

(1) 生活経験や他教科との関連を図り体験的な活動が設定できるように、年間を見通した単元設定や単元配当を工夫する。

(2) まとめの段階での個に応じた指導を、よりきめ細やかに行っていくために、能力別プリントの作成・蓄積を行う。

(3) 国語科・算数科に絞ってきた研究を各教科に広げ、授業実践と実践記録の累積に努めていく。

 

おわりに

 

本研究は、精錬された理論や華やかな実践ではないが、今後も全職員で授業の中で生きる具体的な手だてを追求したいと考えている。

 

 

 


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