教育福島0217号(1999年(H11)02月)-019page

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平成11年度企画展のご紹介

 

福島県立美術館

 

1 ロダン展 4月10日(土)〜5月16日(日)

 

オーギュスト・ロダン(1840〜1917)は、「近代彫刻の父」として19、20世紀を通じて広く世界に影響を及ぼした彫刻家です。より自由な発想に基づいた表現によって人間の内面を深層からえぐり出す作品は、多くの人々の心を捉え続けてきました。

本展は、パリの国立ロダン美術館の全面的な協力を得て開催されます。最先端の研究成果を取り入れながら、ロダン芸術の精髄を名作『考える人』を含めた初期から晩年にいたる代表的な彫刻作品67点、繊細で独創的なデッサン25点、ロダンと同時代の写真家が撮影した写真25点によってご紹介いたします。

 

2 鈴木治展 5月22日(土)〜6月27日(日)

 

大正15年京都に生まれた陶芸家・鈴木治(すずきおさむ)は、戦後いち早く八木一夫とともに革新的な陶芸を模索するグループ「走泥社(そうでいしゃ)」を結成し、彫刻作品ともいえる「オブジェ焼き」を発表して注目を浴びました。彼は、土偶や泥像、馬など日本の原始的なフォルムに独特の詩情と鋭い感性を秘めたユニークなオブジェから青白磁や穴窯を用いた伝統的な器まで、きわめて幅広い作風を展開してきました。本展では、そうした鈴木治の半世紀にわたる独創的な造形の軌跡を代表作約140点によって回顧いたします。

 

3 コラボレーション・アート展 7月10日(土)〜8月22日(日)

 

近代以降、美術作品の制作は芸術家個人の孤独な創造的作業と考えられてきました。しかし旧来の芸術感が崩れてきた今日、コラボレーション(共同制作)による美術と人間との新しい関係が生まれつつあります。

この展覧会では、鑑賞者が作品を体感できるインタラクティブ・アート、身体表現によるパフォーマンス、作品を森や街角に設置する環境芸術など、既存の美術の枠を飛び越えた新しい活動を展開している作家たちを紹介し、未来の芸術表現を展望します。

 

4 生誕100年 関根正二展 9月4日(土)〜10月17日(日)

 

福島県白河に生まれた関根正二(1899〜1919)は、大正洋画史に特異な足跡を残した画家として知られています。19歳の時、二科展に『信仰の悲しみ』などを出品して樗牛(ちょぎゅう)賞を受賞し新進国家として期待されたのも束の間、1919年に大流行したスペイン風邪のためわずか二十年の短い生涯を閉じました。

生誕100年を記念して開催する本展では、現存する作品約90点を展示するほか、彼が影響を受けた友人や同時代人の作品と比較することによって「幻視の画家」「夭折の天才」などと神話化されてきた関根正二の実像に迫ります。

 

 

 


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