教育福島0217号(1999年(H11)02月)-020page
福島県立博物館
平成11年度
企画展の概要
・春の企画展
氷河時代(ひょうがじだい) −タイムトラベル100万年ふくしまにゾウがいたころ−
会期 平成11年4月17日(土)〜6月13日(日)
約165万年前から現在に至る地質時代は第四紀(だいよんき)と呼ばれています。この時代は温暖な間氷期(かんぴょうき)と寒冷な氷期(ひょうき)(氷河期(ひょうがき))とが交互に訪れるいわゆる「氷河時代」でした。この時代のふくしまとその周辺にはゾウをはじめサイやオオカミなど現在では絶滅(ぜつめつ)した様々な動物が生息していました。また森林には現在のものとは異なる種類の植物を含んでいました。これらの動植物と同時代に生きた人類を紹介するとともにこの時代に発達した氷河、ならびに氷期の生き残りといわれている動植物もあわせて展示します。
・夏の企画展 新弥生紀行 −北の森から南の海へ−
会期 平成11年7月17日(土)〜9月5日(日)
弥生時代の文化・社会については、従来、大陸の農耕文化の影響を大きく受けた西日本からの視点で論じられることが多かったと言えます。しかし、西日本の弥生文化といっても一様ではなく、東日本のそれもまた西日本とは異なっていました。さらに、北海道の続縄文文化や琉球列島の貝塚後期文化のように、農耕文化を形成せず、採集・狩猟を生業の基盤とした独自の文化をもった地域もあります。
この企画展では、縄文時代から弥生時代へという大きな時代の転換期に、東日本、北海道、琉球列島などの人々が、他地域とどのような関わりをもちつつ、いかにして独自の文化を形成したのかについて考えるとともに、西日本をとりまく地域からの視点で、弥生文化とは何かを再考してみます。
・秋の企画展 生の中の死
会期 平成11年10月9日(土)〜12月12日(日)
現在、マスコミで事件や事故による人間の死が取り上げられても、言葉の表現のみで、私たちが実際に死体を見ることは希でしょう。一方近代以前の人間は、老人から聞いた地獄の話し等で幼い頃から「地獄の恐ろしさ」を知り、磔(はりつけ)や晒し首(さらしくび)等で本当の死体を数多く見ていたのではないでしょうか。本企画展は、人間が生と死に対して持つ意識の変遷を描き出すことを目的としています。死を考えることは、その前提として生を考えることです。自らの、そして、他人の生を見直す機会であってほしいと思います。
・冬の企画展 豊かなる世界ヘ −豊穣(ほうじょう)と想像力の博物誌−
会期 平成12年1月22日(土)〜3月20日(日)
「豊かなくらし」それは物質的であれ精神的であれ人々が常に夢見たものでした。今回の企画展では県内の民俗事例を中心として人々の願いが結実し形となって表れる姿を展示してみます。その形は私たちの想像力が様々な影響を受けつつ生み出したものです。たとえば南会津をはじめ県内に分布する火伏せの呪物は屋根の下で私たちの安全を見守ってくれていました。子孫繁栄、家の繁栄、ムラの安全。願いは尽きません。私たちが祖先から受け継いだ偉大な想像力の世界をごいっしょに探検してみましょう。
<福島県立博物館利用案内>
●開館時間
午前9時30分〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
●休館日
毎週月曜日(ただし祝日は開館)、祝日の翌日(ただし、土・日は開館)、年末年始(12月28日〜1月4日)
●臨時休館日
平成11年6月21日(月)〜28日(月)は、館内消毒のため臨時休館の予定です。
●常設展観覧料
一般・大学生260円(210円) 高校生150円(120円) 小・中学生100円(80円)
※( )内は20名以上の団体料金です。
●企画展観覧料
それぞれの企画展ごとに料金を設定しますので、ご来館に際しては電話等でご確認ください。
※学校・公民館等の団体は事前(1週間)の申請により、観覧料の割引(減免措置)が受けられます。