教育福島0219号(1999年(H11)6月号)-006/52page

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提言

先生と国際協力

熊 野 秀 一

国際協力事業団
二本松青年海外協力隊訓練所長
熊 野 秀 一

 

国際協力事業団二本松青年海外協力隊訓練所は平成六年十二月に設立され、その名称のとおり歴史と文化の香り高い二本松市で主として青年海外協力隊員の派遣前訓練を年に三回実施している他に、研修員の受け入れ事業、その他福島県に於ける青年海外協力隊事業等政府ベースの技術協力及びその付帯業務を、官公庁及び地方公共団体、民間の協力を得て実施しています。

青年海外協力隊の訓練所は、二本松市の他に長野県駒ヶ根市と東京都渋谷区広尾の三ヵ所にありますが、二本松訓練所は一番新しい訓練所で敷地面積が十四万一千平米と広く、宿泊施設が全室個室になっており二百四人収容できるのが特徴です。当訓練所では主としてアジア、アフリカ、中近東を中心とする二十二ヵ国への派遣が予定されている隊員候補生に対する訓練を受け持っています。

平成十年度末までに既に訓練を十三回実施し、修了者が千九百九十六人になりましたので、過去平均では一度に百五十四人を訓練したことになります。(因みに、協力隊累計では昭和四十年の発足以来一万八千人を越す協力隊員を六十六ヵ国に派遣しました)

訓練では、派遣国で充実した協力隊員活動が出来るようにするために、七十九日間にわたり外国語の集中訓練を実施するほか、協力隊理念、国際協力、異文化理解、任国の事情等の講座(公開講座を含む)を行っています。

新しい訓練が始まる日に、何ヵ月(時には何年)も前から一次筆記及び二次面接の二度の選考試験に合格し、日本全国の北は北海道、南は沖縄から参集した若者の意欲に満ちあふれ、そして生き生きとした瞳に出会う度に毎回心の底から清々しい感動をおぼえます。

訓練を無事に修了し派遣国に着任後は、この二年間で日本では何年かかっても体験できないような生活が始まります。協力隊員の任務は派遣国政府からの要請に応えることですが、いわゆる技術協力を遂行する上で様々な困難に遭遇します。それらを敢えて一言で表現するとすれば、今の日本ではほとんど意識することがない「活きる」というこ


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