教育福島0219号(1999年(H11)6月号)-014/52page

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英語

四技能のバランスのとれた総合的な英語力を育成するために

問題内容と正答率等の概要

1 絵や地図等についての説明を聞いて質問に答える問題及び対話形式で話されていることがらの要点を正しく聞き取る問題

放送問題一は基本的には鍵になる単語(キーワード)を聞き取る問題です。ただし、三番については、ただ単にキーワードを聞き取るだけではなく、多少の応用力が必要となります。「図書館にもう二時間もいる」という現在完了の表現から、現在の時刻である六時から二時間さかのぼった四時を答える問題になっています。この部分の正答率はやや低く、六三・二%です。

放送問題二は道案内に関する問題です。鍵になる語句をおさえながら地図を追い、目的地である郵便局を探り当てます。正答率は七一・三%です。

放送問題三は対話を聞き取る問題です。正答率が最も低かったのは二番の、「マイクはどのアジアの国を訪ねましたか」という問題です。アジアの国々重視という最近の傾向から、タイを含めたアジア諸国の名前と地図上の位置については二年の教科書の最初に学んでいますが、正答率は二三・九%です。

2 基礎的・基本的事項の理解を問う問題

どの問題も基礎的・基本的事項を問う問題になっています。(2)の1)は比較級の問いに対して最上級の形で応じる問題になっていて、やや難しいと思われましたが、正答率は高く、七九・七%です。最上級の形がしっかりと理解されています。これに対して正答率が低かったのは(3)の1)の問題です。表中のメモでは「犬の散歩」という名詞になっていますが、それに対応する英語では「散歩をさせる」という動作を求めています。正答率は三一・二%です。

3 基礎的な表現力を問う問題

「福島県は大変素晴らしい県です。なぜならば」に続けて四語以上の英語で答える問題ですが、福島県が素晴らしい理由を表現するわけですから、全く自分の好みで書くのではなく、ある程度の客観的事実を述べる必要があります。正答率は一八・二%です。

4 会話の流れを問う問題

環境問題に関わる異文化体験が話題になっている会話文です。(1)では会話の流れが問われていますが、did youで始まる疑問文の答えは、内容を考えるとYesで始まる選択肢ではなく、Of course Ididで始まる選択肢になります。このように、DoやDidで始まる疑問文の答えがYesで始まらない例は現実のコミュニケーション活動ではよく起こる現象です。この問題の正答率は五一・五%です。

5 英文全体の内容及び各パラグラフの内容を問う問題

書き言葉の文体で書かれた新しい形の長文問題です。テーマは国際理解です。英文全体のテーマを問うているのが(1)です。正答率は五三・一%です。(2)は各パラグラフのトピック・センテンスを問うています。正答率はいずれも五〇%前後です。(3)はto不定詞の後置修飾の語順を間うています。これと全く同じ表現が三年生の教科書に出てきますが、正答率は低く、二四・二%です。なお、この大間五の詳しい解説及び解法については県教委発行の「サクシード蝕2」に書いてありますので、ご参照ください。

6 まとまりのある長い英文を読み、その内容を読み取る力を問う総合問題

話し言葉と書き言葉のミックスした文体で書かれている総合問題です。話題はバリア・フリー(機械と人間との関わり)です。この大問六は(1)では省略を補う、(2)では内容を要約する、(3)では会話の流れから適当な表現を選ぶ、といったように様々な力が問われています。(4)は英文を日本語に直す問題ですが、so〜thatの構文、別々のものを指す二つの代名詞のthey、それにalsoとhardlyという語が加わって、大変難しい問題となりました。部分得点者は多数いたものの、正答率は低く、二・二%です。(5)は会話の前後関係から話者を推測して答える問題です。内容と形式の両方から考えれば、話者は「母親」であることが


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