教育福島0223号(1999年(H11)11・12月号)-020/48page

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特別企画

新しいタイプの地域スポーツクラブづくり

スポーツ健康課



はじめに

二十一世紀を間近にした今日、社会環境の急激な変化により、スポーツは心身ともに健康で潤いのある生活を送るうえで重要なものとして認識され、多くの人々が、それぞれのライフスタイルに応じてスポーツに親しむようになってまいりました。

しかしながら、少子高齢社会の到来という時代のうねりの中で、学校運動部活動や企業スポーツ(実業団)等によって支えられてきた競技スポーツ、一般の人々を対象とした生涯スポーツともに大きな転換期を迎え、新たな施策を展開することが求められております。

一 現状と課題

(1) 競技スポーツ

スポーツ振興の牽引的役割を担う競技スポーツにおいては、学校運動部活動が、少子化による部員数や指導者の減少、価値観の多様化による運動部離れ、さらに学校週五日制への対応等の問題を抱える状況にあり、企業スポーツにおいても、厳しい経営状況によって休部や廃部に追い込まれるクラブの増加という問題が生じております。

これらは、競技人口の減少等を招き、競技力の維持・向上にも大きな影響を及ぼすため、学校や企業に依存してきたこれまでの体質を見直し、地域を基盤とした新たな体制を作り出すことが求められています。

(2) 生涯スポーツ

ニュースポーツの普及等により、子供から高齢者までそれぞれのライフステージや目的に応じ、「誰もが、いつでも、どこでも」スポーツに親しめる環境づくりを推進してきた生涯スポーツの振興は、各地にたくさんのスポーツクラブをつくり出してきました。

しかし、単一種目・同一年齢層・小規模独立型が多いわが国のクラブは、特定の人々によるチーム型の色彩が強く、閉鎖的で地域とのつながりが薄く、世話役がいなくなると一気に活動が停滞する場合が多いなど、いまだ個人的・個別的な活動にとどまり、地域に根ざした活動として展開されている例が少ない状況にあります。

二 新しいタイプの地域スポーツクラブ

こうした状況を踏まえ、頂点を極めようとする競技スポーツと裾野を広げようとする生涯スポーツは、「地域」という土台でつながっているという考え方から、「地域とのかかわり」ということが、二十.世紀のスポーツ振興を図るための重要な視点として位置付けられるようになってきました。

多様化・高度化するニーズに応え、一人の一生涯という長い期間に対応し、次の世代に受け継ぐことができる「地域に根ざした新しいタイプのスポーツクラブ」の育成・定着を図ることが、これからのスポーツ振興策の中核であるとされ、このようなクラブは「総合


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