教育福島0223号(1999年(H11)11・12月号)-022/48page

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より、競技力の向上にも寄与するものと考えられています。

また、この総合型地域スポーツクラブは、世代を超えた出会いと交流の場であり、キャンプやボランティア活動など、様々なプログラムを通じて青少年の心の教育にも寄与するだけでなく、スポーツの枠を超え、組織として文化・福祉・まちづくりなどの社会的活動を展開することも可能にします。

すなわち、「住民主導行政支援」を進展させ、スポーツを通じて地域コミュニティづくり・地域の活性化を促し、「住民の声を形にすることができる社会的基盤」といった側面を合わせ持つものということができます。

四 本県の取り組み

文部省では、平成七年度より「総合型地域スポーツクラブ育成モデル事業」を実施し、将来、中学校区程度を単位として、全国約一万ヵ所にこのクラブを立ち上げたいとの構想を打ち出しました。

県内の市町村では、基準事業費等の問題から、これを受けることが難しい情勢にありましたが、このため平成十年度より、本県独自の事業として(財)福島県スポーツ振興基金助成事業「複合型(=総合型)地域スポーツクラブ育成モデル事業」を全国に先駆けて実施しております。

本事業は、平成十年度から原町市・西会津町・東村、平成十一年度から郡山市・飯野町・双葉町・檜枝岐村の計七市町村で実施し、この他、本宮町が(財)日本体育協会委託事業「総合型地域スポーツクラブ育成モデル事業」を実施しております。

本年七月二十五日には、西会津町で「西会津スポーツクラブ」が設立され、同月二十八日には原町市で「はらまちふれあいスポーツクラブ」が設立されました。 

他の市町村においても、現在、設立に向けて着々と準備が進められており、県内各地区に総合型地域スポーツクラブが立ち上がる予定となっております。

西会津町スポーツクラブ設立総会
西会津町スポーツクラブ設立総会

五 広域スポーツセンター

総合型地域スポーツクラブの普及・定着を図るためには、これを支援する広域的な機関が必要になってきます。

それは、広域市町村圏内のクラブ間でネットワークを構築し、その中核として位置付けられるものであり、人的支援、マネージメントの支援(企画、運営、点検・評価、需要調査等)、情報的支援(新しいプログラム・指導法などの提供)をはじめ、地域スポーツ振興計画やスポーツ医科学面での支援等を行う機能を有するものでなければなりません。

このような機関を「広域スポーツセンター」といい、文部省では全国三百ヵ所の設置を目指し、今年度から「広域スポーツセンター育成モデル事業」を実施しました。

本県を含めて五道県が指定を受け、本県では?鞄?本フットボールヴィレッジ(Jヴィレッジ)を広域スポーツセンターに指定して事業を実施することになり、去る十月十九日に事務局を開設しました。

現在、組織づくりに着手したところであり、県版・日体協版モデル事業に取り組んでいる八市町村と、センターの所在地である双葉郡町村の計十五市町村を対象として、各種の支援事業を展開していきます。

将来的には、県内数地域にセンターを設置し、広域市町村圏におけるスポーツ振興の拠点にしたいと考えています。


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