教育福島0223号(1999年(H11)11・12月号)-046/48page

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美術館だより

美術館だより

県立美術館コレクション紹介 1

変容する近代日本画

変容する近代日本画

県立美術館は、今年で開館15周年を迎えました。現在、明治以降の作品を中心に約1,500点ほどの作品を収蔵しています。

これから数回にわたって、コレクションの中からいくつかの優品をご紹介していきます。

明治時代になり、西洋の様々なものが本格的に日本に流入してきました。絵画の分野でも、油絵の具や遠近法など日本にはなじみのなかった写実性を重視する西洋画法が入ってきて、絵画のあり方が大きく変わっていきます。伝統的な日本画も例外ではありませんでした。画家たちは、膠と顔料という古くからある材料を用いながら、いかに新しい表現が可能か、様々な試行錯誤を繰り返していきました。

速水御舟(1894〜1935)は、その変革の中心的な役割を果たした日本美術院を舞台に活躍した画家です。日本画の伝統である装飾性と対象の本質に迫る写実性を結びつけた御舟の作品は、作家活動は短かったにもかかわらず当時の画壇に大きな影響を与えました。

福島県の三島町に生まれた酒井三良(1897〜1969)も、主に日本美術院に発表を続けた画家でした。日本の山村風俗や田園風景、そこに暮らす人々の日常の姿を素直に描いた心あたたまる作品は、今でも多くの人々から親しまれています。

横山操(1920〜1973)は、戦後、海外の新たな動向の影響を受けながら、日本画の革新を進めた画家でした。大自然の圧倒的なエネルギーを大画面に描き出した作品などを世に出し、繊細かつ優美という日本画のイメージを根本からうち砕く迫力に満ちた作風は大きな反響を呼びました。

速水御舟 「女二題 其一」 1931年
速水御舟 「女二題 其一」 1931年
絹本著色 134.0×114.0cm

酒井三良 「残秋」 1933年
酒井三良 「残秋」 1933年
紙本著色 63.8×83.3cm

横山 操 「闇迫る」 1958年
横山 操 「闇迫る」 1958年
綿布著色 181.0×455.0cm


休館のお知らせ

館内空調設備の全面的な工事のため長期にわたり休館いたします。

皆様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、ご協力とご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

10月18日〜2000年7月19日(予定)


お問い合わせ:福島県立美術館 024(531)5511

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