教育福島0223号(1999年(H11)11・12月号)-045/48page
博物館ノート
企画展 「豊かなる世界へ」
―豊穣と想像力の博物誌―
会期:1月22日〜3月20日
冬の博物館は変わったものでいっぱいになります。まず何よりも福島県を特徴づける「火伏せ・オカマサマ」。上棟式のときに棟木に付けるこれらの品々は、火災を防ぎ、子孫繁栄を確実にしてくれるオマジナイとして、現在でも生きている習俗なのです。県外ではほとんど目にすることができないのですが。
そして、今回の展覧会は「豊かなる世界」をわたしたちにもたらしてくれる様々なモノたちの中で、とくに人体の一部である生殖器にスポットを当ててみました。小正月のサイノカミ行事で、村の外れにたつワラの人形たちに、道端にある石の道祖神で、といろいろなところで登場するこの意匠。古くは縄文時代から現代までどの時代にもまんべんなく顔を出しているのです。
そう、この特異な「形」に正面から向かい合い、「いやらしい」でもなく「昔の人はおおらかだったなあ」でもない、「なんて人間の想像力はすばらしいのだ〜」という素直な驚きを出発点として、わたしたちの身近に広がる豊穣への願いの形を探検してみたいと思います。
安達町の農家の屋根裏
アンバサマ (いわき市)
企画展観覧料 一般・大学生 260円(210円) 高 校 生 150円(120円) 小・中 学 生 100円(80円) ※( )内は20名以上の団体料金